Short Diary

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最近、本を買いまくっている。日本に帰る日も近づき、バークレーでの生活が恋しくて、このような行動に駆り立てられているのかもしれない。
これまでに買い溜めた本は、机の横に積んであり、ゆうに100冊は越えている。よく、本屋さんから、”図書館を開くのかい?”とあきられるほどだが、日本に帰ったら、なかなか吟味しながら買うことの難しい本ばかりなので、今後5年ぐらいかけて少しずつ読むつもりで投資している。他の留学生はどうなのかわからないが、英語を聞く能力がネイティブと比較して当然限られている外国人にとって、本は最も自分のペースで、好きなときに、じっくりと知識を吸収できる手段であり、また、本を熟読することで、自然と語彙も増え、特にプレゼンテーション英語の自信がついたのは確かだ。これからも、本漁りは続く。最も、最近は獲物を捕り尽くした感もあるが。
また、サンフランシスコなんでもベスト10(ミーハーっぽいが、これがなかなかいけてる)というガイドブックをかってから、これまでに行ったことのない穴場によく探索に行き、スライドに記録する日々も続いている。毎日歩くたびに新たな発見のあるこの街の奥は思ったよりも深い。今日は、フォートメイソンにあるアフリカンアメリカン文化センターを訪れた。ガイドブックにもっとも素晴らしい小規模美術館として紹介されていたからだ。が、こればかりは、がっかり。アフリカ人の民族芸術が展示してあるのはよいが、アフリカ系アメリカ人の、アメリカでの闘いの歴史を吸収したかった願望はかなえられなかった。受付の黒人男性の横にいる男の子が、”今日は5人目のお客さんだねえ”と言っていたのに苦笑。

ルームメートと、 シューティングゲージに初めて行った。アメリカならではの体験で、一度は味わってみたかった。エアポートの近くの高速の側、日本で言うと、バッティングセンターのような雰囲気。中に入ると、短銃からマシンガンのような物がぎっしり並んでいる。が、店員は思ったより人の良さそうな感じで、少しイメージと違う。10分ぐらいの簡単なレクチャーをうけ、しかも私は英語が8割がたくらいしかわからず、ちょっと曖昧なまま、さあ撃っていいよ、とあっさりいわれて、さすがに緊張する。えーっと、弾をこう入れて、まだ、引き金に手を振れないで、落とさないように、と、何とかセットアップして、標的にねらいを定める。最初の一発がとにかく緊張する。なにせ、本物だ。子供のころに遊んだモデルガンと似てはいるが。そして思い切って引き金をひく。と、ものすごい爆音と共に、あっという間に標的がいぬかれていた。反動は思ったほどでもないが、火花と煙が手元で炸裂したのは迫力ある。慣れてくると音はきにならなくなったが、なかなか思ったように弾が標的に当たらない物だ。おまわりさんは、すごい、と思う。それよりすごいのは、隣のゲージでマグナム44を、こちらの5倍ぐらいすごい音をぶっぱなして撃っている白人の女性。見かけは普通のひとでも、マグナムをうって、嬉々としているのをみるにつけ、やはり違う国だと感じてしまった。

予てから一度は行きたかった、野茂の試合を見に行った。日本人に夢を与えた男をどうしてもこの目で見ておきたかった。おととい、野茂が投げると思って買ってしまったチケットに続き、今週2回目のボールゲーム観戦。今日のスタンドは、日曜の晴天の下、観客でぎっしり。やはり日本人らしき人が目立つ。なんと、偶然、依然会社のチームで同僚だったTさん夫妻とばったりあってしまったのには驚き。立ち上がりの野茂は制球に少し苦しんでいるようにも見えたが、実に堂々とマウンドに立っていた。回を追う毎に野茂のリズムとなり、三振をとる毎に、無意識によっし、と大声を出していた。同じ日本人がメジャーリーガーをきりきり舞いにしている姿を目の前で見るのはこんなに気持ちのよいものだとは思わなかった。そして、日本人だけでなく、現地の野茂マニアが、プラカードをたなびかせて、野茂の奏でるリズムに酔っている姿を見るのは、日本人として訳もなく誇りを感じてしまう。やっぱり野茂はすごいなあ。7回のピンチでマウンドを降りた後も、野茂の復活の1勝を祈るようにして観戦。そして、その祈りはかなった。これからもまた、活躍して欲しい。

終わった。終わった。終わったーー。やっと、最終発表が終わった。去年の5月頃から育ててきたアイデアを、50人程の聴衆の中、 10分という短い時間で爆発させた。自分としても、とても満足のいくプレゼンテーションができたと思う。審査員からも、現実的とはいえないまでも、夢のあるアイデアと、その夢の強さを感じるとのコメントを戴けて嬉しかった。僕がこの修士デザインで試したかったのは、建築を学び始めてから10年間、表現したかった夢だからだ。言葉に表現しにくい日本文化の特質を、何とか体系付け、それを形にすることに成功したと思う。その表現を、アメリカという西欧文化の国で実験提案したので、もちろん、西欧人にとっては違和感を感じただろうが、同時に新たな可能性も感じてもらったと確信している。ネザール先生から、”このプロジェクトは、サンフランシスコのメインストリートの新たな触発点ともなり得るし、ガン細胞ともなり得る”というユニークなコメントがそれを示している。また、日本でも、福岡に作品を残しているマークマック氏からも貴重なコメントを戴けた。彼からは、この案を現実的にする為の課題点を的確に示して頂けた。また、名前が依然不明ながら、中間発表から好意的なコメントをして頂いている審査員からは、オフィス環境とそれに対するニーズは、今後10年間または20年間後にかなり変わっていく可能性がある。例えば、オフィス環境と美術館、オフィス環境と学校の共存のような、新しい組み合わせが試される可能性がある。そうした、将来的なプログラムの変更に対して、このプロジェクトの提案するオフィスとストリートとの新しい関係性は、とても示唆に富むものだということを、審査が終わった後、わざわざ僕のところにきて話してくれたのはとても嬉しかった。インドからきている博士過程の方からも、素晴らしいプレゼンテーションだったよ、とても好きな案だ、といって頂けた。クラスメートからは、とにかくおめでとーー。これが一番嬉しい。
さあ、あとは論文を完成させるのみ。しばらく、休養してから、これに取りかかりたい。

スタジオの中間発表も終わり今は、春休み。といっても、休む暇はなく、論文の完成に向けて思考の日々は続く。中間発表では、友人のFも手伝ってくれて発表を見に来てくれた。哲学的な批評をすることで評判の高いリチャード、ファーヌーからも批評を戴けたが、今一つ言っていることのディテールが聞き取れず、適当に愛想笑いをしながら、関係ありそうなことを瞬時に口から吐き出す。外人であることは不利でもあり、逆に気楽でもある。おそらく、既存の建物に対するコンテクストの配慮が足りないことを言っていたと思うのだが、まあ、これにたいしても言い訳を考えたい。発表のあとは天気も最高なので、Fとバークレーの裏山をドライブ。裏山といっても、ゆうに1時間のドライブの広さはあり、国定の自然保護地区になっているので、雄大な自然を満喫できて気持ちよい。こういうとき、オープンカーにしてよかったと、つくづく感じるもの。ライオンがでるという、森林にもおそるおそる入っていった。昨日は、僕の20代最後の誕生日祝いに、ルームメートみんなでカリフォルニア料理のレストランに行った。予想どおり値段もはったが、味も最高。外国で、誕生日を祝いあえるルームメートをもてて、本当に幸せだ。最終発表まであと、一ヶ月。ようやくここまできたという感じと、せっかく楽しくなってきたのにもう、という気持ちが微妙に混ざり合う中、これからの生き方を考えたりもする今日このごろ。

このところ、ずーっと、ずーっと、模型にはまっている。特に今週はほとんど部屋で模型と格闘している。ここまで、好きなだけ、じっくりゆったり模型と向かい合える日々はおそらく定年退職でもしないかぎりないだろう。建築はやっぱり空間が見えてこないと、いくら言葉や図でしめしても伝えられないものがある。そうした、言葉にならない意志を模型を通して伝えて行きたい。私は、スケッチが下手なので、模型を作りながらデザインを発展させて行くのが向いているみたい。学校のスタジオよりやっぱり自分の部屋が一番落ち着く。ジャズを流しつづけ、疲れたら散歩し、寝たいときに寝て、食べたいときに食べ、後はじっくりゆったり模型を作っていく至福の時間。とにかくマイペースな時間を送っているなあ。お、我ながらわくわくするような空間が生み出されつつあると感じる。親馬鹿かなあ。

スタジオのプレミッドタームプレゼンテーション。名前を聞き取れなかったが、2人の外部クリティークに説明をした。私の説明は分かりやすかったらしく、両者からとも、わかりやすい批評が帰ってきた。特に男性のクリティークは的を得ていて、私の案をいかに前進させるかについての的確なアドバイスを戴けてホットした。それに比べて女性のクリティークは、自分の価値観を押し付けるような言い方をして、アドバイスというより、私を混乱させるような意見を言うので無視することにした。彼女のクリティークは他の生徒に対しても的を外していて、あたかも、非難したいが為にクリティークにきたかのようで、あなたもう帰りなさいという感じだった。世の中には、2種類のタイプの人間がいると思う。批評をする人と、批判する人だ。前者は人の意見をよく聞き、そのよいところと悪いところをよくわきまえた上で、その人の状況についてよく理解をし、その人が前進するにはどうすればよいか、道標となるような、アドバイスを生み出すことのできる人。後者は、人の意見を聞くものの、いつのまにか、自分の関心のある領域にその人を無理矢理引きずり込み、自分の価値観の正しさを押し付けがましく示し、その人がいかにその価値観をわかっていないか非難をする人だ。クリティーク社会のアメリカとはいえ、後者のような人はクリティークとしての存在の意味はなかろう。

夕方から、台湾人のEさんの家でパーティー。台湾系アメリカ人のルームメイトWと、日本人のT先生、Oさんの5人で盛り上がる。Eさんの手料理はレストランでもなかなか味わえないほどの破格の美味しさ。舌触りと香りと風味が絶妙に計算された作品には、皆驚嘆するばかり。カリフォルニア産の蟹の煮物、蓮の葉にくるんだ鱈の煮物とごはん、若竹入りとんこつスープ、鶏のスープによるしゃぶしゃぶと特製のたれ、中国式もちのプリン風デザート、とまるで高級レストランにきたかのようなコースが、これまた絶妙の順番で用意されている。お皿もあらかじめ暖められている。Eさんの破格のホスピタリティーとあいまって、ディナーの時間は芸術的ですらあった。時の経つのも忘れ、明日プレゼンテーションがあることも忘れて、4時間があっというまに過ぎてしまった。Eさんにどんなおかえしができるかなあ。料理じゃあかなうはずないしなあ。

気分転換に、今日もルームメイトのWとテニス。最近よく運動しているなあ。おとといもテニス。昨日は、ジムで汗を流せたし。よい傾向。1ゲーム目は6−2で圧勝。今日も攻撃的なスライスが調子よい。2ゲーム目はタイブレークで、9−11と、惜しい負け。また、2人ともへとへとになり、食事の後、ぐっすりと眠りにつく。さあて、来週の月曜はスタジオのミッドタームレヴューだ。土、日の2日で、ハヨ先生にアドバイスされたリヴィングバウンダリーコンセプトモデルを完成させたい。

久しぶりにハヨ先生に現在の修士設計の進捗状況を説明。リネー先生に出された課題をハヨ先生に相談したところ、僕の考えていた通りの意見を頂けて安心。さすがハヨ先生。ちょっと説明するだけで、すぐに本質を見抜いて的確なアドバイスが帰ってくる。今日は、このアドバイスで今後の設計方向がすっきりと見えてきて、頭も爽やかになった気分。リネー先生にも、その方向を確認したら、とてもわかりやすいといってもらえたので、またまた安心。マイペースでいこう。

今日の夕食は、オリジナルの、ミントあえの”さけかつ”と”たらかつ”。魚の臭みがミントの清涼感で程よく消されて、とてもおいしいと、ルームメートに絶賛された。こうして、素材のハーモニーを想像しながら料理するのは、あたかも、建築のデザインで、材料をどう組み合わせて味のある空間を仕立てるか想像するのに似ている気がする。建築のことをよく、”凍れる音楽”というが、”凍れる今日の夕食”といってもいいのではないだろうか?

今日もよる寝れず、寝付いたのは朝の7時ごろかなあ。起きたら、11時で、授業が始まっている時間。幸い今日は、プレゼンテーションがまだだったので、セーフ。思いのほか、水彩のお絵描きが誉められたので、本当にこれでいいの?と思い返してしまった。昼過ぎに、ルームメートのWと久しぶりのテニス。はじめはサーブも調子良く、逆クロスショットもさえ、4−0でリードしていたのが、だんだん疲れてきたのか、サーブが入らなくなり、あっという間に5−5に。何とか逃げ切り7−5で勝利。ロングゲームに二人ともへとへとになってしまった。もう年かなあ。でも、テニスは気持ちよい。毎日やると健康にもよいんだろうけど、なかなか時間と相手がみつからない。コートはいつもあいているのにもったいないなあ。でも、明日もまたWとリターンマッチだ。今日はバックのスライスが安定してきたので、明日はこれに磨きをかけたい。夕方から、Wと友人のT、その友人でオランダ人のPさん、とその友人の他2名で映画を見に行く。RUSHMOREという、完璧なコメディー映画。英語が半分ぐらいしかついていけずに、ネイティブだけゲラゲラ笑っているのがくやしい。どうやら、なかなか絶妙なネタのようだが。見てわかるネタは一緒に笑えるのだけど。映画の中でも、コメディーは一番外人にとって理解しにくいタイプだと思う。笑いというのは実に文化的に高度な背景で構成されているらしく、10年ぐらいいないと、到底理解できなそう。まあ、それでも、十分楽しめる映画だった。高校の学生、工場の支配人のおじさん、高校の女教師の三角関係のアンバランスさがおかしい。

今日もよるなぜか寝れずに昼も今一つさえない。まずいなあ。リネー先生からのデザインの指摘に対して、どう言い訳を考えていくか、これからの2ヶ月あまりのデザインの戦略をどうたてていけばよいか、今がわかれめ。ただ、いろいろ批評されることで、デザインを組立てていく論理のプライオリティーを確認できるので、その度にデザイン手法が明確になっていくのが面白い。日本でなかなかここまで批評し合う風土はないので、いい経験になっている。まあ、とはいっても、仕事でもあるまいし、楽しさを一番にやっていくのが一番自分の力を出せる道だと思っている。7個所のアーバンアトラクターのうち、約3個所ができた。リネー先生の要求もきびしく、一個こなすのにかなり創造力がいる。いままでやったことのない空間構造をその都度生み出すように要求されるのだから、しんどいが、一個生み出される毎に、自分の中に眠っていた空間欲求のようなものが確認できておもしろい。各々のアトラクターが、竜安寺の岩のように、間として心理的なつながりをもてるのか、論理的に説明できても、模型の表情からそれを審査員に感じ取ってもらえるか、その辺が今後も考えていかなければならない課題だなあ。

最近、昼寝をよくしてしまい、夜寝れなくなってしまうなあ。昨日も今日も、3連休ということで、久しぶりにゆっくりとできた。昨日は、チャイニーズニューイヤーだったので、ルームメートのWとハワイ行き間近のSさんと、チャイナタウンへディムサム(飲茶)をしにいく。どこも、超満員で、少し中心から外れた店で落ち着くことができた。広い店内に、西洋人は1卓だけ。あとは、皆中国人(だとおもう)。前に、香港で飲茶したのを思い出す。ウェイターのおばさんも英語が分からない人が多く、一体ここがアメリカなのかうたがってしまう。味は良好。これで、13ドルならまた来たい。チャイナタウンの街を散歩したが、どこも人でごった返していた。一部歩行者天国のようになっており、出店が出ていた。スタジオの机に置こうとずーっと探していた盆栽のようなポットが見つかったので、迷わず購入。今日はインターンシップのインタビューの為の対策を練っていた。日本から持ってきた、その事務所に勤めていた人の体験談をカフェで読み入っていたら、閉店間近の11時半になってしまった。さあ、また明日から、エンジンの出力アップ。

ルームメイトのWが、連邦財務局に内定したので、お祝いのパーティーにサンフランシスコへ。来週にハワイでの仕事に行ってしまう美術学科のSさんの送迎会もかねて。で、ベイブリッジをわたり終わったころにルームメイトSの車内にゴムの焼けたような異様なにおいが。ブリッジを渡り終えると、ボンネットから煙が吹き出てきてさあ大変。近くのガススタンドで緊急待避して、トリプルAを呼ぶ。どうやらトランスミッションが焼き焦がれてしまったらしい。雨の降る肌寒いサンフランシスコのガススタンドで、テイクアウトのブリートをかじりつく羽目になってしまった。おー、ミゼラブル!やっぱりアメ車はよくないなあ。

ランドスケープのドローイングワークショップに今日も参加。今日は、自分のデザインのセクションスケッチモデルを作ること。ランドスケープの学生がどういう過程でデザインを進めていくのか体感できた。セクションモデルのよいことは、空間を組立てて行くときの、異なる要素間の関係性がクリアーになることかなあ。それと、セクションにはどうしても構成部材がでてくるから、その納まりにも自然と配慮が行き、スケールによっては、身体性の高いデザインになることが多いと感じた。そのあと、キャンパスに散らばって、デッサン及び水彩スケッチの練習。小学校から美術で2以上とったことがない僕にとって、一番苦手なお絵描き。でも、年の功か、だいぶお絵描き恐怖症症候群がなくなってきたみたい。コンパクトな水彩セットも手に入れたことだし、旅行に行ったときに、素直に紙に色を載せる時間をもつのもよいかもしれない。ラフだけど、雰囲気がつかめているようなスケッチを書きたいなあ。
夕方から、ルームメイト、その友人たちと、映画館へ。オスカーにもノミネートされている、life is beautifulをみた。jewish italianの夫婦が出会うまでのコミカルな場面と、コンセントレーションキャンプで、子供にこれは一種のゲームなんだからとなだめ、なんとかナチスの手から守ろうとする父の、シリアスな状況でなんとかユーモアを忘れないように、という姿が感動させられた。最後に子供は母と出会うことができた。父の命を代償に。

今日は1日、ディテール模型と格闘しながら、部屋にこもっていた。こんなときは、大好きなジャズのFM局がありがたい。一日中流していてもあきない。ところで、昨晩のできごと。近くのお気に入りのカフェで設計をしているとき、隣の席に誰かの荷物がおきっぱなしのまま、20分ぐらいその持ち主が現れないので、席を探していたcocasianの紳士淑女風カップルが、”ずーっと、もどってきてないよね。”というから、”そうみたいだね”というと、彼らは、席の上の荷物をどけて、そこに座った。しばらくすると、その持ち主のasian studentがおもむろに現れ、言い争いが。”どうして、俺の荷物をどけてかってに座ってるんだ”、”いや君、ここは君だけの席じゃないんだから、20分もいなかったら座りたい人が座ってもいいだろう?”、”うるさい、そんなルールははない、さっさとどきやがれ”と言う感じ。そのカップルは、席をどかないので、しまいにその学生は、ホットチョコレートをその男性の顔にむけて、ぶっかけた。おー、すごいすごい、と思っていると、おたがい取っ組み合いに。こんなところで、けんかするなよ、とおもっていると、カップルで来ている手前、その男性のほうが手をだすことなく、事は大事にいたらなかった。さて、この出来事、どちらが悪いのだろう?20分も荷物を置きっぱなしにしておいた学生もわるいが、荷物をどけて、その席にすわり学生が戻ってきても、その席をどかなかったカップルも悪いし。学生がいない間だけ、席を借りて座るならいいけど。それでも、ホットチョコをぶっかけた学生ももっとわるいし。とおもいながらも、隣の席で何事もなかったかのように、設計に集中する僕であった。触らぬ神にたたりなし。

スタジオの、スケッチクリティークの最終日。これぐらいになると、さすがにいいかげんだったアメリカ人達も気合が入ってきたようで、なかなか新鮮で示唆に富む解決プロセスを提示しているものも見られた。特に、Mのgeographical roof の数多くのスケッチモデルは、周囲の複雑なコンテクストをなんとか考慮しようとしている痕跡が伺われて、面白かった。問題は、プラン的要求と、ルーフとの空間的、及び技術的整合方法の解決と思われる。Kさんの、ハイウェイ下構造物の提案は、高架下をパスするサーキュレーションのライティングも含めた、ヒューマンスケールの検討がうまくできれば、これは東京のクレージーな首都高沿いの環境整備にヒントになりそう。私はというと、前回にひき続き、アーバンアトラクターズの他3個所のスタディー。相変わらず批評がばしばし飛んでくるが、もう、方向転換はできないので、いかに言い訳をうまく考え出していくかが大切。とにかく、世界でも前例のないタイプのデザインなので、その意義や楽しさ、豊かさを模型でなんとか表現できればよいだろう。すぐに実現できる案ではないので、こういった考え方はどう?という問いかけになることが、このプロジェクトの存在意義になることを信じて。 今日もまた、模型作りだ。あー大変。でも、こんなこと、実ジョブじゃあまずできないし楽しんで気楽にやっていきたい。 スタジオの後は、リネー先生のおごりで、ファカルティークラブの落ち着いた雰囲気のなか、ビールを片手に皆で談笑。思えば、このスタジオで、皆でビールを飲んだのは始めてだなあ。先生たちはこんなところで、いつも晩餐会なんかやっているのかと思うと、うらやましくも思った。

修士設計の敷地調査に、サンフランシスコへ。今日は、オフィス街、やたらとさむい。ビルの前を歩測していたら、近くにいた花屋のおっちゃんが、きみは建築家だな、だって。たしかに、ああいう歩き方をしている人はビルの回りに僕しかいない。
夕食は、ビーフカツに挑戦。中華なべをかってから、とんかつ、とりから、と、揚げ物に挑戦していて、特にとんかつは、ルームメートも絶賛していたので、気をよくして今日はビーフというわけ。こつは、やはり、たまごをつけ、パン粉をつけたあと、パン粉が湿らない内に中熱の油にすばやく入れ、肉汁が油に滲み出て、ぱちぱちと言う音がはげしくなってから、20秒まって油からあげると、衣もパリっとした、おいしいかつができあがる。これを知るまでに、3回の試行錯誤があった。んー、専業主夫にもむいているかも。

先週の頭から、またまた、風邪をひいてしまって、どうしようもないなあ、まったく、と思っていたら、昨日ルームメートに薦められてかった、アメリカの喉飴、COLD-EEZE,を試したら、1日でほとんどよくなってしまった。これはすごい。日本でもいま特許出願中と言うので、市場に出たら、試してみる価値あり。スタジオでは、論文のチェアーのリネー先生の論文の添削が帰ってきて、思いのほか気に入ってもらえて、ラッキー。大きな変更が合ったら大変だからねえ。まあ、去年の夏からやってたんだから、よくできていて当然でしょう。これで、あとは、デザインをすすめていけば卒業も見えてきた。が、デザインでなかなか、プランとエレベがうまくおさまらず、今日もこれから図面と格闘だ。

 
年が明け、日本でのゆったりした骨休み、風邪でほとんど寝ていたが、も過ぎ、新学期が始まって、はや3週間が過ぎてしまった。
時の経つのは早い。スタジオでのプレゼンテーションでも、いろいろ苦労しながら、ようやく方向性がつかめてきた。
うちのチームは、みな住宅をテーマにしている人が多く、僕のようなテーマはちょっと現実離れしていて、プラクティカルな領域まで、デザインを高めていけるかがこれからの課題になりそう。でも、皆のプレテンを見ていると、批評はよくする割には、じゃあ自分は?と言うと、えっ?と思うようなものがおおく、アメリカ人のいいかげんさを改めて確認するばかりだ。僕も、あれぐらいのいいかげんさを身につけたいなあ。にほんじゃあ、まずつうようしないだろうけどねえ。

おっと、一ヶ月も更新してなかったんだね。あっという間に、今学期も無事に終わり、しばし、骨休みの冬休みだ。東海岸の視察は、短いものの、なかなか充実したものになった。フィルでの滞在は、都市計画家であるベーコンの本を読んで検証してみたが、思ったほど、地下空間と地上空間との空間的融合が達成されていなくて残念。理想と現実との乖離を見せ付けられたような気がする。唯一ペンタワーのある市庁舎は、クロスするメインロードの結節点としての機能を十分果たしている上に、そのスケール感と、歴史の重みを感じさせるディテールが感動させられた。フィルでの2日目は、ペン大で現在アーバンデザインを学んでいる友人Kのプレテンを拝聴。ほかにも、ペン大のファインアートやランドスケープのプレテンを見ることができて楽しかった。ペン大は、バークレーに比べて、デザインが皆洗練されているなあという印象を受けた。次はニューヨークへ。ホテルを探すのに手間取ったが、10軒目にして、土日で一泊60ドルと言う、破格の場所をみつけてラッキー。しかし、部屋の狭さも破格だったが。値段と場所の便利さを考えると納得して、ぐっすり寝ることができた。ニューヨークで感じたのは、いわゆる摩天楼の迫力よりは、タクシーと公衆電話の多さに感心してしまった。この街は、遊ぶのに機能的にできている。もともと、マンハッタニズムとは、遊園地をつくるようなものであろうから。空間的に魅力を感じた建築にはめぐりあえなかったが、スモールアーバンスペースとしてのペイリーパークは、限られたデザインボキャブラリーで、実にシックに構成され、ビルの谷間と言う暗がりを逆手に取った憎いばかりの滝の照明効果は、街路からアプローチするときに、人々にほっとさせるものとして、実にうまくデザインされているなあ、と思った。僕も、こんな広場を作れるといいなあ、としみじみと感動できた広場だ。夜は、会社でお世話になっていたMさんと、ディナー。最高の時間だ。ブルーノートでは、マッコイタイナーのピアノと、スタンリータレンタインのテナーという願ってもいない共演に感激。1時間と言う演奏が、15分ぐらいに感じられた。あわただしいニューヨーク滞在の次は、バスで4時間半揺られて、ボストンへ。この街は、とにかくコンパクトだ。夜にすることが何もなくて、ホテルでテレビを見たり。昼は、アメリカの頭脳、ハーバードの視察に。建築学科の入っている、ガントホールでは、スタジオのスペースに入っちゃ行けないとかかれつつも、はいってしまった。ステップ状の一体となった大空間に、すべての学生が各自机にコンピューターを装備してデザインに臨んでいる姿はさすがだ。バークレーもこれには負けだ。建物に歴史を感じさせるものが多いが、ランドスケープの豊かさと言う点では、バークレーの地形を巧みに生かした、キャンパスのほうが僕は好きだ。これは、愛校心なのかもしれない。一方、MITのキャンパスは、ただ広いだけで、非人間的なスケール感を与えるところが、工科大学なのかなという印象。あまり、いい感じではない。こうして、東海岸の代表的なキャンパスを見るにつれ、バークレーのありがたさがしみじみと沸き上がってきて、最後のころには、早くサンフランシスコに戻りたいなあ、と思うあたり、僕は、西海岸に洗脳されているようだ。
新学期が始まるまで、しばし、日本の様子を見に帰国。不況が続いているようだが、実際街の雰囲気はどのように変わっているのか視察してみたい。

修士論文セミナーで最終プレテン。外部の講師からも雄弁なプレゼンテーションだと誉められて、これで、安心して冬休みを迎えられそう。写真の授業でも、シークエンスをテーマにした課題が、先生のコレクションに加わることになって、嬉しい。今日は、ご機嫌だ。

初めて、サンフランシスコシンフォニーを聞いた。実は結構レベルが高いらしい。この日は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3。ピアノの圧倒的な重和音の連続にしびれっぱなしだった。2曲目のシュトラウスも、シンフォニーのパワー全開で気持ちよい。クラシックも、いいもんだなあ。また行こう。


修士論文セミナーで、皆のこれまでの作品を見せ合った。アート系の人や、ランドスケープ系の人など、幅広いバックグラウンドを持つ人が集まっているんだなあ、とつくづく思わされる。こういう人たちと同じスタジオで経験を積めることが嬉しくなってしまう。ただ、プロフェッショナルな建築経験のある人は少ないので、僕の存在も少しは幅広さの拡大に役に立っていると思う。実施設計の図面集をみせたら、みんな驚いていた。

修士論文セミナーで、今日は聞き役。ネイティブ以外にも、中国人、ラテン系の人がいて、各々自分の文化をルーツにしたデザインテーマを模索しているのが面白いと思う。デザイン行為は、自分の分身を生むことである以上、自分のバックグラウンドを形成している文化とは切り離せないものなんだろうなあ。

修士論文のセミナーで、中間発表。リネー先生から、素晴らしいプレゼンテーションだと誉められて、今日はご機嫌。クラスのみんなも、ようやく僕がやりたいことを理解してくれたようだ。夕方から、また、ヨッシーへ。今日は、ボーカルとギターのデュオの、チックあんど、ぺーティー。身震いするほど、感動。いや、実際背筋がさむかった。絶妙なギターの泣き声がなかせる。会場のお客さんも総立ち。ヨッシーの今までのライブで一番だ。

夕方から、久しぶりにヨッシーへ。初めて、チックコリアを聞いた。わざとコードを外しながら、ダイナミックに調和を見つけていくのはさすが。キースジャレットの透明感とはまた違ったピアノで面白かった。ベースもなかなかはじけてて楽しい。

夕方から、サンフランシスコ、オペラを視察。去年改修したばかりのこのオペラハウスを一度はみたかったので、いけてよかった。題目は、"TRISTAN UND ISOLDE"という、WAGNERの作曲のもの。声量のほうが今一つかなというきがしたけど、なかなかよかった。

週末に、高校時代からの友人、Fを訪ねて、ニューメキシコを視察。カリフォルニアと違い、砂漠気候で、昼間はうだるような暑さ。昼寝をしないと、体力がもたないところだ。これといって、なにもないところだけど、雄大な自然が魅力かな。アドベスタイルの住宅、サボテンが植わった、前庭が印象的。コンピューターサイエンスの博士過程に在籍しているFからは、数学や、コンピュータの話を聞けてたのしかった。数学は、一種の宗教であることから、ビルゲイツがいかに無駄のあるソフトを世に広めている、ビジネス人間であるかと言うことなど、など。2日目に、行った、ホワイトサンドという砂漠は、一面白砂で、目が開けられないくらいのまぶしさ。夕方になると、微妙な陰影も出てきて神秘的な世界だ。カメラの被写体にもってこいの世界だ。それにしても、メキシコの国境がちかいこともあって、アメリカ内でも、パスポートを見せないと、ハイウェイを通過できないこともあるのには驚いた。

修士論文セミナーの個別面接で、リネー教授と面談。私のクラスであなたが今のところ一番進んでいるね、といわれて、安心。担当教官にも一応お墨付きを頂いたので、このまま突き進もう。 写真の次の課題は、ポートレイト。人物の内面をうまく表現できるような写真をとってみたいなあ。

アメリカ都市計画界のいまや重鎮であり、サンフランシスコ都市計画局長でもあった、アラン、ジェイコブス教授に修士設計のコンセプトを説明。しばらく、考え込まれた後、君の案は、ファンタジーとしては面白いが、西洋、特にアメリカの都市の中でプラクティカルに提案する案としては危険な問題作だと言われた。それだけ、アジア的な空間特性を押し出している思想を反映していると言える。しかし、現にサンフランシスコと言う街は、中華街とちゃんと共存できている。そのまちで、この思想実験をするからこそ、インパクトがあるのだと思う。問題作と言われるだけ、インパクトがあるということ。これからも、いろんな、現実的な”批評家”から、あれこれいわれるのはめに見えているが、”ああ言えばこう言う”戦法で、ねちねち、押し通そうと思う。状況があやうくなったら、英語がわからないふりをして、無視をすればよい。それにしても、アランはさすが、実務の幅広い経験があるだけに、とてもプラクティカルな批評を、具体例も織り交ぜて提示してもらえて、興味深かった。アランと30分ほど、密な対話が出来ただけでも、収穫。でも、アランをコミッティーにするのはやめよう。
夕方から、ランドスケープアーキテクトである、ロバート、ムラセの講演会を聞きにいった。日本的な感性を西洋の文化的構図の中で、バランスよく展開しているのが印象に残る。特に、石の使い方と、石に込められた擬人化の手法は面白い。

コンペと修士設計をかねて、模型作りに専念。最近そのせいか、日記をつけてなかった。木で模型を作るのは始めてかもしれない。木目が微妙に違うパーツを組み合わせると、なんとも言えない味が出て面白い。明日には完成させたいんだけど。。

ニューヨーク、シティーバレーがバークレーに来たので、初めてバレーなるものを見てみた。手の先と足の先の、切れのある、そして優雅な動きによって、空間を切り取り、それが時間と共にダイナミックに展開していく。この、空間のダイナミズムが、とても新鮮だった。あるときは、動く彫刻のように、美しいコンポジッションをみせていた。僕の修士設計のテーマでもあるダイナミックな境界形成に感覚的なヒントを与えるものであった。

修士論文セミナーで、初めて、設計思想とプロジェクト内容を説明。ある意味で、西洋的思考を部分否定していくようなラジカルな考えでもある為、やはり西洋文化の教育を受けてきた者にとって、否定的な、もしくは懐疑的な意見か飛び交った。西洋的デュアリズムを乗り越える仏教思想をオリジナルとする手法なんだよ、といいたいけど、どうせつめいしていいやらね。まあ、否定的な意見は無視して、しつこくしつこく、じわじわ説明していこう。具合の悪い質問には、英語が聞き取れないふりをすればいいし。まあ、議論を呼ぶだけの問題作となりそうなのは確実だ。

ピーター、ボッスルマン教授に修士設計のコンセプトを説明。とても、面白いと言ってもらえた。ピーター先生は、ストリートの環境評価等を専門にしているので、とても話をわかってもらえ、また、有意義な助言をいただけた。日本事情にも通じていることもあり、コミッティーの一人になっていただこうと思う。
夕方から、アーバーニズムセミナーに出席。期せずして、今日の話題は、ストリートの活性化についての話題で、興味深かった。身体的経験を大切にする、アラン、ジェイコブスと、バーチャルリアリティーでの経験も視野に入れようと言う、アイゼンマンのストリートに対する論評に対して、議論が戦わされた。
両者を調停する視点として、建築は、植栽や歩行者、広告塔も含めて、ストリートを活性化する触媒の一つであるという私の視点をのべたところ、あまりに皆と次元が離れたことをいったようで、あまり反応がなかったけども、なんでもいいから、発言してみることに意義があるのだ。

ハヨ先生に再会。修士論文のコメントを頂いた。モダニズムに対する東洋的なアンチテーゼだと言って頂いたのは、嬉しかった。ハヨ先生のように、日本の滞在の長い方にとって、理解しやすいコンセプトなのだと思う。これで、思想的なバックグラウンドの方向には自信を持てた。これからは、フィジカルなデザインボキャブラリーを蓄積していきたい。ハヨ先生にはコミッティーの一人になって頂こう。

アイデアコンペをやることになって、修士設計の敷地でもあるサンフランシスコのカリフォルニアストリートを探索。延べ、64ブロックも歩いてへとへとに、
3時間は歩き回ってた。その甲斐あって、敷地周辺の基本情報はすべてインプットされた。
バークレーのアートストアにもいってみた。あまりの品揃えのすごさに、思わずアートの心(そんなものないけど)がくすぐられ、思わずパステルセットを買ってしまう。パステル画にも挑戦だ。

ホームページを開設してから、1ヶ月がたった。新学期がはじまって、あわただしかったし、なかなか更新する時間がないけど、これからも、すこしづつ充実させていきたい。(日記のぺーじだけは、まめに更新してるなー。唯一日本語で今日のことを整理できる時間だし。) 大好きなジャズのページももっと充実させたい。
修士設計ともからめて、久しぶりにアイディアコンペに挑戦。これから、20日ぐらいで完成させたい。

ランドスケープ学科の、ワルター、フッド教授に、修士論文を説明。僕としては、かなり、ダイナミックな案だと思っているのに、”スタティックだね”といわれてしまった。やっぱり、生き物をあつかっている、ランドスケープの人の意見らしいと思った。こうして、いろんな分野のひとから、ご意見頂くのはなかなか面白い体験だ。ランドスケープセミナーの講師がぜんぜん足りないことを自覚。コーディネーターの一人として、ちょっと頑張らないと。去年コーディネーターやってた人も、”もうあきちゃったから”といって、途中で止めたみたいだし。このいいかげんさが許されるところがアメリカだなと思う。

リネ、デイビス教授に修士論文を説明。とても面白いといってくれて、更に自信を深める。ウィークポイントも指摘され、これからの課題となった。
夕方からは、同教授のアーバニズムセミナーに出席。現代建築の限界について、プルーイットユゴー団地の爆破計画を中心に議論が進められる。
建築家とディベロッパーの、計画に対する主導権のあり方についても、激しい議論が飛び交った。

修士論文キックオフセミナーが開かれ、出席。バークレーの論文作成の各自キャリアにおける位置づけ、修士プロジェクトと普通のプロジェクトとの、性格の相違など、興味深い対話が繰り広げられた。実社会に出てからではできない、実験的、思想的世界を確認するいいチャンスとなるようにしたい。思いっきり、自由に、自分の分身となるような思想を展開して行きたいものだ。その中で、現実ともどう接点を持たせていくかがキーポイントとなる。現実と、理想とをいったりきたり、その振幅が大きいほど、ダイナミックな理論が構築できるだろう。これから、どんな世界に進むにせよ、それらをすべて包含するような思想を展開して行きたい。その為にも、バークレーのすべての先生と話を持つつもりで、やっていきたいものだ。
夕方は、サウサリートにオフィスを構える世界的ランドスケープ事務所、SWAの公演会。建築とランドスケープの融合を大切にしている点が、僕の興味とぴったりしている。ピーターウォーカーの事務所より、卒業後の研修先として面白いかもしれない。

修士論文セミナーで、都市論について、みんなで議論。面白かった。午後は、写真の授業。今日は、プリント時の光調節のしかた。
これで、プロの写真のように、微妙な陰影の表現が出来る。ますます、面白くなってきた。

サウトワース教授に、修士論文を説明。なかなか、好評で嬉しい。これからも、週に1人のペースで、多くの先生と話して行きたい。

初めて、写真のプリントをした。光の調節加減で、仕上げの状態がコントロールできるのはおもしろい。これで、どんな写真でも現像できるぞ。
こちらにきた初めての夏に、盗まれたコンタックスのカメラをまた、ボーナスはたいて買い直したぐらいだから、十分活用したい。私の宝物の一つである。
都市計画学科に今年から入学した、日本からきたKさんを紹介された。これで、環境デザイン学部修士課程のの日本人は6人だ。いつか、日本人の会をひらいてもよさそう。
夕方から、リネ、デイビスのニューアーバニズムのセミナーに参加。本日は、ブラジリアの計画を中心とした講義だった。

早くも、新学期が始まり2週間がたつ。どの授業もペースがつかめてきてよかった。昼に、久しぶりにA君からサックスのレッスンを受けた。
そして、こちらのジャズサークルで初めてコンボの中で演奏した。やっぱり、皆で合わせるのは楽しい。ベースのコード進行と共に、自然と指が動いて行く。これがジャズだと感じる。こちらのほうも、週一回これからレッスンを受けて楽しみたい。

昼のランチに、去年のサマースクールの先生だった、L先生と久しぶりに会う。赤ちゃんができたようで、おなかがふくれていたけど、
去年と変わらず笑顔がすばらしい。お互いの近況の話題で盛りあがる。先生の高校時代の人で、現在環境デザイン学部の教授をしている方を紹介してもらった。今度、是非お話を伺いたい。
ランチの後は、カメラの授業でプレゼンテーション。思ったよりよくとれていて、成功。

修士論文の内容を見てもらう為に、久しぶりにハヨ先生にお会いした。ハヨ先生は、クリストファー、アレキサンダー教授とパートナーを組んで、
世界中で実作を手がけられていて、日本でもエイシン学園のデザインは有名だ。久しぶりだったけど、僕のことを良く覚えていてくれて、
うれしかった。手短に修士設計のコンセプトを説明したところ、とてもおもしろいといってくれて、この方向で、論文をすすめてゆく自信がもてた。
また、ランドスケープセミナーの講演も快くひきうけていただき、コーディネーターのひとりとして、嬉しかった。 これからも、何らかの形で、関わっていきたい先生の一人だ。

新学期始まってからの、初めての日曜日。朝は、また先週と同じとリターンマッチ。タイブレークまでもつれるも、また僕のかち。
これから、毎週日曜の朝に試合をすることになりそう。
昼は、写真の授業の第一課題の為、キャンパスをカメラを担ぎ、てくてく歩く。いつも、オートでとっていたので、記録も取りつつ、
露光を意識してマニュアルでとるのは新鮮だ。
夜は、アートを学んでいるさんが遊びに来て、一緒に夕食。こんど、アートにまつわるお話も聞きたい。

久しぶりに、のんびりした一日を送れた。今学期とる予定の写真の授業の為のテキストをかいに、バークレーでは一番大きな本屋、Cody'sへ。
眺めてるだけで、楽しそうな、写真の本。早く授業で実践してみたい。修士設計のプレゼンテーションのための技術をみにつけられればなあと思いつつ。また、YWCAの英語プログラムのパートナーであると久しぶりに会う。お互いの近況報告から、アメリカの医療費が何故高いかについて、話が盛り上がる。
 

学期が始まって、どの授業をとろうか、ばたばたしていたけど、やっと今日の夕方になって方向が見えてきた。
とにかく、修士設計を完成させる為に集中できる環境を作ろうと思った。いつも、学期の初めが一番悩むことが多い気がする。
そういえば、ランドスケープのセミナーで、コーディネーターの一人になってしまった。建築外のネットワークが広がりそうで楽しみ。
時間を見つけて、ランドスケープの事務所でインターンもしてみたい。
 
 

いよいよ新学期が始まった。久しぶりに会った友達と話が弾む。
とりあえず、都市計画学科の都市形成理論のセミナーに顔を出してみる。
先生は、アメリカの都市計画では伝説となっているケビン、リンチの直系の弟子である
マイケル、サウトワース。とても、温厚な人柄で、聴講だけでもよいから、とろうと思った。
今週は、いろいろ他にも授業に顔を出し、今学期のスケジュールをつめてゆきたい。
ところで、朝にネットサーフィンをしていたら、意識の形成についてのなかなか興味深いサイトを発見。
 
 

朝、久しぶりに日本のコンペ事情をチェックする為に、ギャラリー間のページを検索。
あるある、久しぶりに、コンペ熱が沸き上がってきて、思わず募集要項を請求。
学期中に、そんな暇があるかはわかりません。
昼から、スタジオでいしょだったMとテニス。1セットで、1時間半もかかる接戦で、
2人ともへとへと。でも、今日は僕のかち。また、試合をしたい。
 
 


わが建築学科の、ポットラックパーティーに顔を出してみた。新しい顔がほとんどだったけど、中には
知人もいて、懐かしい。日本からきた、D氏とも知り合いになれてよかった。いよいよ、新学期が始まるんだという
雰囲気になってきた。ぼちぼち、やっていこう。
夕方から、S氏のバーベキューパーティーへ。アルバニービレッジの中庭で家庭的なパーティー。楽しかった。
 


今日は、日本からベイエリアを視察にこられた方々を、案内させていただきました。元国土庁に勤めておられ、現在大阪産業大学教授のK氏、国土庁のコンサル等を手がけているN研究所のA氏、H氏が、日本のこれからの環境保護を念頭においた国土開発のガイドラインを作成する上で、この方面で進んでいるベイエリアの事例研究をするために視察にこられたようです。3氏は日本国土総合開発(四全総等)の法案作成に関わってこられた方々で、建築というある意味で狭い分野で物事を組立てざるおえない私にとって、いろいろ新鮮な話を伺うことができました。
フィッシャーマンズワーフのシャエラトンホテルから出発して、はじめはベイエリアの野生保護区である"SF Bay National Wildlife Refuge"を視察。
サンフランシスコ湾の一番奥に、海岸に沿って広がる保護区は、一部塩田等で侵食されているものの、湿地帯の広がる自然生態系が保全されたエリアで、一部トレイルもめぐっていて、興味深いランドスケープとなっていました。地理学のバックグラウンドをもっておられるK氏からは,土地の”Salt化”に関わる興味深い話を聞けました。塩田にしているところはもちろんのこと、乾燥によって、塩分濃度が高くなってくると、植物等が育たなくなり、生態系が壊れ、いずれ砂漠化していくとのこと。こうした、アルカリ性の高い土地は、生態系を復活させることは困難で、たとえば、塩田等の経営が輸送費の高騰によって、採算があわなくなり、廃地になった後、こうした土地の再利用としては、3次産業及び住宅、商業施設等を漸次発展させるしか利用方法がないとのこと。私たちが訪れた地域も、一部、塩田廃業後の土地再利用として、コンピュータ産業や、突然孤島のように開発されている住宅地域が目だっていました。ところで、野生保護地域の保全は、連邦レベルで米国全土に広がっていて、とくに、湾岸の水質向上(埋め立てによって悪化してきた水質を)のための、湾岸の生態系保護のプログラムは、日本の環境アセスメントより広域の視点で、環境に対する影響を分析するプロセスの出発点として、有意義なもので、東京湾の水質改善や、湾岸開発をする場合の、より広域の生態系に対する影響評価を考えるうえで、参考になると思われました。
次に、オークランドのメトロセンターで行われた、ベイエリア環境保全及び開発委員会の公聴会に出席。本日の議題は、サンフランシスコエアポート拡張に際し、隣接する湾岸域に新たなパーキング施設および、海に面した、公園と、それにつながるトレイルの整備計画に対し、"Mitigation Bnak"(開発に際して、環境に対するインパクトを軽減するという視点から、海岸線から、100フィート以内を自然生態化する広域計画)のコンセプトの面からも、理に適っているか、市民も含めて、プレゼンテーション、質疑応答とうをするものでした。審査委員は、連邦、州、市の担当委員からなっており、それらに対し、計画担当者がプレゼンテーションをし、それに対し、市民も含めて、質疑応答をするという形態をとっていました。市民といっても、実際はおそらくディベロッパー等利害関係のあるものしか出席していないようにみうけられたものの、市民がこうした、開発過程において、意見を述べる枠組みが用意されているだけでも、日本と違った、アメリカの民主主義の理念が感じられて、興味深かった。また、"Association of Bay Area Government"の資料は、ベイエリアの土地利用の将来予測として、興味深いものだった。

サンノゼへ。シリコンバレーとして近年ますます発達しているこのエリアが、コンピューター産業等のハイテク産業の誘致、周辺住宅環境の形成過程として、
”シリコンバレータイプ”とはどんなものかを視察するのが目的だった。印象としては、ロスを更に田舎にしたような印象で、ストリップが延々と続く、いわゆるスプロールした地域で、新興地域らしく、ダウンタウンのような中心域がきわめて弱いと思われた。正直、こんなところには住みたくないと思う。まあ、職があり、みな高給取であるので、仕方なく住んでいるのだろうが。

そして、スタンフォードへ。とにかく、かねもちの学校なんだなあという、第一印象。あまり中には入らなかったけど、とにかく広大でよく整備されたキャンパスが圧巻。
スペイン調のデザインで統一された校舎は、素材も徹底的に統一され、重厚感もあり、好感が持てた。また、ゆっくり訪れたいところ。

また、フィッシャーマンズワーフにもどり、東京すき焼きという、このあたりでは、最も古くからあるレストランにいった。アメリカにいるとはおもえない、純日本的なインテリアと、おしながきに感動。価格もなかなか一級だったが、味も一級。お勧めのレストラン。また、女中さんがもとミスジャパン(40年前)であるのも感動。K氏の青春時代のアイドル的存在のひとだったらしい。

家に戻ると、遊びに来ていた、Kちゃんの送迎飲み会。夜中の2時までくるったように皆で酒をまわす。楽しい一日だった。
 
 



  やっと、念願のマイホームページができた。やってみると、結構簡単なものだけど、いままでなかなか腰があがらなかった。作り始めてみると、やっぱり自分のページがインターネットに載るのは嬉しい。日本語も使えるようだし、これから、少しずつ充実させて行きたい。日本人の皆さん、暇なときにちょっとのぞいてみてください。僕は、去年の夏からカリフォルニア大学バークレー校に留学していて、現在建築学科に在籍しています。今月24日から新学期が始まるので、少し緊張している感じです。 最近建築より広場のデザインのほうにだんだん関心が出てきたので、そちらのほうにも目をむけてみたいと思っています。
 


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