お母さん安心して ダイオキシンなどふっとばせ



1999.06.01
http://www.geocities.com/HotSprings/4347/
〒6050842 京都市東山区六波羅三盛町170 河合 医院

 

 

 

環境ホルモンが問題になったのは,イギリスの川で洗剤のノニルフェニルで川の魚が雌だけになったのが最初だと思います。

NHKによると、にミシシッピーのわにでペニスの極小化がみられ,環境汚染が問題化しました。

人間の精子数を調べていた研究者が,それとを結び付け,人間に影響があるとジャーナリズムも騒ぎだし,ホルモンなら胎児に影響があると大騒ぎです。さらに,母乳にも検出され,子育ての女性にショックを与えます。

さらに,軽薄ジャーナリストが「人類の将来がかかった大問題だ。」と難しそうな顔をして,くわえたばこでりきみます。人類は今にも滅亡しそうです。

マスコミでは,環境ホルモンと神戸の猟奇殺人事件をしきりに関連づけようとする動きが見られます。その筆頭が立花隆氏です。女性ホルモン様の環境ホルモンの直接的作用では攻撃性はむしろ弱まるはずで,苦し紛れに,最近は甲状腺ホルモンヘの影響から,脳が影響され犯罪が増えると立花 隆氏などは喧伝しています。愚かなことです。(攻撃性の出るのは男性ホルモンのほうです。) 確かに動物学者からのこの様な発表がみられます。動物学ではその様にすぐ考えるとしても,医学者はこの様には考えにくいものです。なぜなら,医師は甲状腺ホルモンの先天的欠損や母体の甲状腺ホルモン過剰症を知っているからです。

甲状腺ホルモンの異常が胎児期や,生後すぐ見つかっても,3月以内くらいに適正なレベルにホルモン量に調節していればその子は正常に発達し,異常行動などの問題はみられませんし,攻撃性が増加するという証拠もありません。甲状腺ホルモンが不足すれば,むしろおとなしい子に育つはずです。

まず,基本的な数値として,ダイオキシン類の母乳中濃度を記載します。
 日本16.7,アメリカ17,イギリス37,オーストラリア17,カナダ18,ドイツ32,フィンランド18,ベトナム20
(政府役人の対応の悪さはおくとして。) 特に日本が多いとは考えられません。また,猟奇殺人は切り裂きジャックなどに見られるように,都市化以来報道されますが,前世紀以前からあったもので,最近特に増加したというはっきりしたデータはありません。犯罪的性格異常者は1000人に一人程度と昔からいわれていて,これにも変化はありません。精子の減少も科学的データはありません。

これらは,マスコミが勝手に面白く話をねつ造しているとしか考えられず,科学的根拠はまったく不明というものです。

では,動物達の雌化は人類への影響はないのでしょうか。マスコミの非科学的連中はこれをすぐ結び付けて報道するから不安が拡がるのです。胎児に影響すれば男の子の雌化が始まりそうな立花隆氏らとそれに追従するマスコミの報道です。

1.魚の雌化
人間は染色体の組み合わせで雄か雌かが決定され,一生変わることはありません。魚はどうでしょうか.。ある種の魚は雌ばかりがいると繁殖できないので,もっとも大きい雌が雄に変化して卵をうみます。温度や環境で性を決定している魚はめずらしくありません。また,雌だけで繁殖を続ける種類もあります。おすが不要なときもあります。魚は哺乳類とはまったく異なったシステムで,本来両性具有の動物なのです。それが,低レベルのホルモン様物質で影響されるのは不思議ではありません。

2.ワニのペニスの発達不全
ワニの性決定も人間とはまったく異なります。わには卵が置かれた周囲の温度で雌か雄かが決まります。温度が高いと雄になるのや,逆に雌になる種類もあります。ペニスの大きさが簡単に影響されても,不思議ではありません。また, ある種の亀は,20度から30度の間に卵があるとメス,それ以外はオスとなります。

3.甲状腺ホルモンは動物で働きに非常な差がある
甲状腺ホルモンは不思議な物質で,つねずねその起源に疑問を持っています。酵母と人間が同じ遺伝子を使い,同じ様な酵素を使うこともよくあるのですが,甲状腺ホルモンは非常に違った使われ方をします。いもむしがさなぎになり一晩でさなぎの中の体が変化して蝶になるわけですが,この変態に働くのが甲状腺ホルモンです。人体では代謝の調節に使われます。常に存在しますが,昆虫では変態のときです。もちろん,人類は変態などしません。ホルモンの働きを考えるときには,種により慎重な検討が必要です。

以上の事だけでも,NHKや立花隆氏を頂点とするマスコミの報道の先入観ははっきりするでしょう。上のような前提条件をまったく報道せず、わにの性転換のような話を情緒的に取り上げる、NHKの非科学的態度は煽情ジャーナリズムそのものです。科学番組とはとてもいえません。年寄りなどNHKが報道すると、真実と信じきっている人もいますが、愚かなことです。さらに、少年犯罪の増加に結び付けるジャーナリストなど非科学的で話の相手にもなりません。 生物の種類によってメスかオスか決める要因はいろいろです。魚や爬虫類,両性類の結果がすぐさま哺乳類に当てはまるかのようなNHKの報道は、馬鹿としかいいようがありません。興味本位の煽情ジャーナリズムです。世界中の科学者が熱心にデータを集めていますが,現在の所,人体への影響ではっきりしたものがありません。

考えなくてはいけないのは、「科学的でっちあげ」というのはあることです。解りにくい前提条件(ここでは、魚やわにの性決定)を隠せば、生物全体ひいては人間もただちに同じであるかのような印象を与えることが可能だということです。「事実」に基づいてはいますが、全体を誤らせることは可能なのです。ヒットラー的手法は可能なのです。枝葉末節の「事実」を、全体にとって非常に重要だとすりかえるのです。「事実」に基づけば何を報道しても正義だと考える低俗マスコミは多いのです。「インフルエンザで死者」という「事実」に基づいて、日本中が誤った報道で満たされたのが、「イギリスでインフルエンザ大流行」のうそ報道です。ここで、記者達が気づかなかった前提条件は「低賃金による看護婦不足からの病棟閉鎖」です。

いずれ論じるつもりですが,ダイオキシンには発癌性さえ認められていません。(プロモーターだけ)

低俗なマスコミ報道を信じて子作りに疑問をもったり,母乳栄養をやめたりする必要はまったくありません。母乳は非常に有用なものです。

WHOは 母乳中には微量のダイオキシンやPCBが含まれているが,母乳栄養には乳幼児の健康と発育に利点があるという明確な根拠があり,母乳を促進すべきだとしています。私もこの見解を支持します。免疫系だけでも,非常に有利で,突然死なども減少します。

マスコミの健康報道など,10に一つくらいも的を得たものはありません。人類が(哺乳類が)営々と作り上げた素晴しいシステムを利用しないてはありません。

もちろん私はダイオキシンを野放しにせよと言っているのではありません。環境汚染も放置すべきではありません。報道が非科学的で偏向しているといっているのです。良く本を読んでそれを記事にするのは結構です。しかし,結局は学者の書いた本の受け売り。科学的思考訓練をしっかり身につけていないから,批判的に判断できず,受け売りをしているだけです。売らんかなのセンセーショナルになる部分だけ大きく報道し素人を脅かす,売名行為がしばしば見られます。NHKにも立花隆氏にも、誤解を与えるような売名的・煽情的報道の結果大騒動になった事にも、反省の色はありません。

健康問題の全体から見れば,ダイオキシンなどほとんど問題となりません。一部専門家にまかせて,WHOの指針程度に規制すれば将来的にも問題にならないであろう。これが専門家達の見方です。もっと怖いのはタバコの害ですが,いずれ別の場で論じます。

これに関して他にも,私が素人やテレビ,マスコミを馬鹿にしていることがあります。
ロイヤルゼリーは蜂に与える女性ホルモン様物質そのものです。これにより,蜂は多くの子供を産めるのです。これを神秘的ととらえ健康に良いなどと信じる馬鹿さかげん。一方で環境ホルモンを怖がり,一方でホルモン類似物質を健康食品としてありがたがある。こんなものに効果があるはずがありません。昆虫と人類では生殖行動に非常な差があるのです。ロイヤルゼリーをありがたがるなら,ダイオキシンは怖くないはずです。これを考えるだけでも,魚の雌化をすぐに人類の生殖への危機と脅かすのが愚かであるのが解りますし,神戸の猟奇殺人事件へ結び付ける立花隆氏の報道がいかに馬鹿げているかがわかるというものです。テレビでロイヤルゼリーを宣伝するとき,「これは環境ホルモンの可能性があります。」とでもテロップを流すべきです。金儲け主義のマスコミに出来るわけがありませんが。

繰り返しますが,ある生物への女性ホルモン様作用が,他の生物にはまったく影響しないのはロイヤルゼリーで理解できます。ロイヤルゼリーをありがたがって,長期に大量にとった人は多くいるはずですが,効果はまったくみられません。魚に作用したホルモン様物質が,すぐさま人間に同様に作用すると考える方が異常です。科学を理解できない,煽情ジャーナリズムの好例です。科学を理解しているものは,「さらに厳重な検討が必要である。」と考えるのです。間違っても,ただちに神戸の猟奇殺人と結び付けたりはしません。 2000.05.03 改訂部分

ロイヤルゼリー・プロポリス・アガリスク・クロレラ これらをみんな馬鹿にしています。種族の違いをまったく無視して効果を宣伝しているからです。人類に有用とはとても考えられません。業者もそう考えているふしがあり,これらには「より効果を増す」とかいって,ヴィタミンを添加しているのが多いのです。不規則な食生活の人に効果があったとしたら,ヴィタミン不足の解消のためと考えれられます。

クロレラなど,どぶにはえる藻みたいなものより,ほうれんそうを食べるのが人類というものです。川藻などは消化吸収が悪く栄養にならないから,人類は避けてきたものと思われます(もちろんまずいでしょう)。さらに専門家の間では,クロレラの摂取による,皮膚炎が知られています。

例えば,多くの動物ではビタミンCは体内で合成されます。ビタミンCを外からとるのは人類くらいのものです。巨額の費用をかけて開発した新薬が,マウスでは非常な効果があったのに,近縁のラットで効果がなく開発中止という事はよくあることです。マウスで効いたものが人間や犬・豚にはまったく効果がないことも多いのです。これらからも,金儲け主義の健康食品業界やマスコミが,いかにでたらめかというのを判断するのが知的生活というものです。正しい食生活をしていれば,健康食品など不要です。

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PS. プロポリスは蜂の巣にかびが生えないように塗り付けるものを集めたものです。壁の防腐剤に神秘性を感じる人間を理解できません。昆虫にそんなに神秘的パワーを感じるのでしょうか。
ふんころがしはエジプトで神聖な動物として長年扱われてきました。神聖な虫の幼虫は牛のふんだけで大きくなります。昆虫パワーを信じるなら,牛の糞も健康食品ということです。プロポリスより理屈がとおります。
昆虫の種類が違っても,効果はありません。それが証拠に,くわがたやかぶと虫にロイヤルゼリーやプロポリスを与えても無駄です。ましてや人間をやです。

追加 1999.07.01
メラトニンは睡眠や日内変動に関係するホルモンです。ホルモンを外から取り入れると体に影響するのは当然です。アメリカでは死者も出ています。環境ホルモンは悪で,メラトニンが良いのも私には理解できず,馬鹿にしています。

深海サメエキス,スクアレン等は効果がないのが科学的に実証されています。

蟹の甲羅のキチン質は食べても消化しないから,人類は捨ててきたのです。キトサンがどうやって人に吸収されるのか不思議なものです。便秘には効果があるでしょうが,高い便秘薬があったものです。癌に対する効果など,インチキでない限り,証明されていません。

以前サルノコシカケが癌に効くと大評判でしたが,効果がなく下火になりました。そういえば,紅茶きのこというカビのかたまりも流行しました。きのこ類から抽出されたクレスチンという,いったんは厚生省も認めた抗癌剤も効果がないと発売中止になりました。こんどは,アガリスク茸だそうです。どうしてもきのこ類に神秘を感じたいらしく,笑ってしまいます。ワイドショーなどで盛んに薦めています。商売の種はつきるようで,マスコミや業者の二番煎じの神秘的抗癌剤・免疫増強剤にだまされるのは愚かものです。