給食からマーガリンを追放しよう

最近,マーガリンとバターを比較すると,心筋梗塞などの死亡率はマーガリンの方が多いことが欧米の研究で,次々明らかとなってきています。

以前ほどでないとはいえ,給食のパンにはマーガリンがつきものです。

昔は,バターはコレステロールが多く,植物性のマーガリンは健康によいと信じられてきました。子供の肥満,成人病(生活習慣病)は急速に増加しており,コレステロールなど高脂血症も子供の間で重要な問題となっています。しかも,限られた予算の中で比較的安いマーガリンは,油性のビタミンの補充にも便利なものです。こうして,ひろく普及してきたものと思われます。

液体の植物性油を,マーガリンのように半固形状態に変化させるためには水素添加などの化学反応を行います。このとき,自然界に存在しない形の化合物(立体異性体トランス型やエライジオン酸)ができ,これが人体の中で正常に代謝することができず,動脈硬化の原因となるようです。油を安定化させるためにも添加物が必要です。正確なメカニズムには異論があるとしても,心筋梗塞等が10%上昇するのは統計的にはっきりした事実です。子供たちの将来を考えると,重大な健康障害がゆっくり進んでいるかもしれません。なお,厚生省の栄養指針は古く,また,他の栄養素との整合性のため,いまだにマーガリン推進です。

また,以前はリノール酸が体によいといわれていましたが,リノール酸も15年くらい取り続けると,死亡率を上げることが実証され,リノレイン酸やDHA・EPAを取るように推奨されてきています。これらが,学校給食に反映されていません。

マスコミは,マーガリンメーカー等食品会社は巨大なスポンサーであるため,ほとんど報道していません。

危険性の疑われているものは,安全性の確認が取れるまで,直ちに中止すべきと考えます。給食から直ちにマーガリンをはずし,チーズやジャムへの変更をお願いいたします。通達1つで,簡単に変更できるはずです。

文献を添付いたします。10年以上マーガリンを小さじ一杯取ると,心筋梗塞発症率が1.1倍になるという結論です。バターは死亡率を上げませんでした。

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河合 医院 河合 尚樹
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文部省への提言

奥田 幹生先生 御机下

いつも,お世話になっております。 先日は,市より感謝状をいただき,ありがとうございました。 役人には,こうるさいことを言い,嫌われていると思っていますから,望外のよろこびです。

さて,単純なものですから,感謝状を頂いた以上,なにか子供たちに少しでもお役にたたねばと思いました。

そこで,今度は学校給食で問題だと思っていることを取り上げました。 マーガリンをわずか小さじ一杯取り続けると,10年で心筋梗塞などが10%増加するというものです。多数の生徒に強制的に悪いものを取らせていることになり,10%とは無視できない多人数になります。

この問題は最近取り上げられましたが,ヨーロッパでも追試が出ております。私の予想では,これから5年くらいすると定説となり,今のうちに文部省が取り上げておけば,先見の明があったとして,喜ばれるものと思います。

御面倒ですが,別紙の提案を,文部省へご連絡よろしくお願いいたします。

1998年10月25日

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 河合 尚樹 拝