繰り返される朝日新聞による冤罪悪徳医


  

 

 

 


9月28日付け朝日新聞くらし欄 より(関西版)

祖母は85歳。骨の検査の結果を見せてもらった。結果は「若年者には劣るが、85歳の年齢相応」。それなのに、検査以降骨を強くする注射をしてもらっています。祖母は無料だからと喜んでいる。健康保険料がこのようなところにも使われているかと思うと憤りさえ感じます。元気な祖母に注射をする医師のモラルを疑う。このような医師をチェックするため、行政は抜き打ち検査をすべきだ。

要約はこんなところです。抜き打ち検査でもなんでもやってもらいたいものです。悪徳医が年寄りとぐるになり、金儲けのために不要な注射をしていると主張したいのでしょう。またも、ばか新聞が下劣な医師攻撃を行ってきました。何とか医師の評判をおとしめようと、必死に努力する朝日の姿勢が良くあらわれています。医師にもそれなりの事情があるとか、科学的治療根拠があるとは考えられず、物事を多面的に見れないばか新聞だから、こんな記事が載せられるのです。新聞記者とはこの程度です。

しかし、これのどこが間違いなのかと思う素人もいるかもしれません。簡単なことです。年齢相応とは平均値であるという意味です。ところが、平均値はすなわち正常であるとはいえないのです。ここが、朝日のようなばか新聞には理解できないところです。

次の例題を考えてみてください。こんな医師が「正常」でしょうか。


歯が痛いと泣きながら、小学生がやってきました。歯科医は口を開けさせ、「なんだ、虫歯は2本しかないじゃないか。小学生の虫歯の平均値は3.3本だ。だから、君はむしろ正常より良いじゃないか。治療の必要はないから、帰りなさい。」

当院の骨密度の測定法では、正常85歳の女性の平均値は1.85です。1.59でも十分平均値であり年齢相応といえます。

では、どれくらいから危険かということです。2.29以下は骨量減少と判定します。明らかな骨粗鬆症と判定されるのは、2.00以下です。つまり、85歳の平均値は骨折の危険性の高い骨粗鬆症と判定してよいのです。痛みがあるか、腰が曲がっているか、レントゲン上圧迫骨折があるかなどを参考にしますが、85歳の年齢相応値を治療することは、寝たきりを防ぐという意味でも、間違いではないのです。むしろ、WHOはこの骨密度だけで診断するよう推奨しているくらいです。こんな基礎的なことも調べないで、医師攻撃を行うばか新聞が朝日です。

統計的には普通、平均値からプラスマイナス2SD(標準偏差)(または2.5SD)まで正常と考えます。十分平均範囲のマイナス1SDを計算すると1.59ですが、これくらいになると、普通の生活でも簡単に骨が折れる危険性が極めて大きく、すぐに治療の必要があります。年齢相応でも危険なものは危険なのです。

世の中には絶対的な治療基準とか数字があって、それにはずれるのはすべて違法と単純な頭の、ばか記者は考えたのでしょうが、こういうのをマニュアル人間、パターン化思考と呼ぶのです。新聞記者などはこの程度の連中なのですが、現実の仕事は複雑で、個々の事例によって個別に対応しなくてはならないのです。単純頭脳は物事をすぐに善悪二分論にして断罪したがります。もちろん、じぶんはいつも正義の側にたっていると思いたいのです。

外見が正常で、年齢相応のものを治療するのは悪徳医だと決め付けるのですが、そんなに単純なら現代医学も医師も不要です。ましてや、CTなどの検査機器は不要になってしまいます。千年前の医療レベルでよいのです。こんなばかなことを載せられるのは、朝日新聞記者が低能だからこそです。

コレステロールや血圧など、一見正常値を決定するのは簡単なように素人は考えます。すぐに、「・・・は正常ですか?」と医師に簡単に尋ねますが、学問的にぎりぎりと追求していくと、非常に難しい判断になることさえあるのです。年齢は、性は、喫煙は、合併症は、「異常」と判断しても、投薬するほうが良いのか、副作用の兼ね合いは等、頭の中は多くの情報を処理しているのです。一般人には正常値でも、その人の社会的条件を考えると異常値であることもあるのです。逆に軽度の異常値の方が望ましい場合もあります。それが、プロなのです。グレーゾーンは多いのです。医学は、新聞記者が考えるような単純作業ではないのです。

こんなことも朝日新聞は理解できないでしょうから、最初の記事のように根拠のない医師攻撃をいつも行ってくるのです。取材不十分、反論や事実関係をしっかり調べない、科学的根拠を押さえていない、科学的思考ができない、偏見と印象のみに頼る、朝日の性格が良く出ています。偏見と「常識」にたよって、印象記のような記事で攻撃しますが、プロから見れば新聞記者の「社会常識」など程度がしれています。

医師は悪徳であると、予断と偏見を持っているからです。朝日のお好きな、冤罪事件そのものです。犯罪でもない移植医療を検証するのなら、このような人権侵害の記事の「検証」を行って、掲載責任を追及してもらいたいものです。他人のミスは徹底的に検証するのですが、自分たちのでたらめは隠すのが朝日新聞です。

このように、まじめで科学的な医師さえも、朝日新聞にかかると「保険を食い物にする悪徳金儲け医師」のラベルを貼られてしまうのですから、たまったものではありません。
医師への人権侵害を日常的に行うのが朝日新聞です。

2000.10.01
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