ポリオの注意  

〒605 京都市東山区六波羅三盛町170  河合 医院 
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 ポリオは生ワクチンです。

 生きたウイルスが,予防接種を受けた子供の体内で増殖して,大量に便中へ排泄されています。

 弱毒化されていますので,他の人に感染しても,通常は下痢をするだけですみます。 しかし,免疫力の落ちた人や抗癌剤を飲んでいる人などでは重篤になる可能性があります。はしかにかかった時も一時的に免疫力が低下するとされています。乳幼児が調子の悪いときに下痢をすると,脱水症状で重体となることもめずらしくありません。

 O-157でもわかるとおり,感染症は未然に防ぐのが一番です。  ウイルスを拡げない様に注意しましょう。

1.便や汚れた下着にさわったら,石鹸でていねいによく手を洗いましょう。心配ならアルコールで手を消毒しましょう。特に下痢便には注意しましょう。汚れものに触れるときは,手袋やビニール袋を手袋代わりに利用するのが安全です。

2. プールは数週間くらい控えましょう。特に下痢をしているときはやめてください。幼児のプール教室は意味がないので,する必要はありません。このことは,別のページで論じています。

3.おむつや下着などはできれば塩素系漂白剤を用いて,消毒しましょう。特に下痢の時は注意がいります。(1週間くらい)(煮沸も可)

4.トイレの便座がよごれたら,アルコールで消毒しましょう。便器は塩素系漂白剤(ハイター等)を用いてこすれば消毒になります。

5.衣類乾燥機などで熱を加えると消毒になります。

6.お風呂は一番最後にしましょう。風呂の残り湯は流してしまいましょう。(塩素が低下しているため)

 余談ですが,春になってO-157がかなり発生しています。今年の夏も問題になるでしょうが,以上の注意はO-157にも適用できます。

ほとんど可能性がないといってもいいのですが,体内で突然変異をおこし強毒性のウイルスに変化する可能性がゼロとはいえません。このとき,予防接種を受けている子は免疫ができつつあるので,本人には影響がありません。しかし,兄弟や周囲の子,親には脅威となる可能性が,きわめて稀には考えられます。

 以前,プールの危険性を考え,衛生局に質問したところ,プールの大量の水で薄められさらに塩素があるので危険はないとの返事でした。たぶん,局から厚生省に問い合わせた正式の見解でしょう。大部分はこれでも良いかと思います。ただし,下痢便が漏れるようなことは避けないといけません。最近は,以下の例が出たので責任のがれのために,厳重注意と見解を厚生省は変えたようです。先に述べたように,幼児のプールは意味がありません。

 ポリオの予防接種は安全です。400万回に一人くらい麻痺が出ますが,それも,偶然の可能性のほうが高いと考えられます。つまり,これくらいの割合ですと,何もしなくても隠れた病気があって,麻痺が出現するはずであったのが,たまたま予防接種と重なったものと考えたほうが可能性があるくらいです。(バックグラウンドと同じ確率以下)家族が,予防接種を受けた子供等から感染して麻痺が出るのは500万回に一度くらいです。

 昭和50年から52年生まれのひとは抗体価が低いことが知られています。1996年一例だけ,この年代の親が麻痺をおこし,予防接種を受けた子供から感染したのではないかと疑われています。否定的な見解も多いのですが,この年代は特に注意したほうが良いでしょう。数十年で初めての例です。

 結論として,この年代はもう一度ポリオの予防接種を受けたほうが安全だと,厚生省は勧めています。医療機関で任意接種で受けられます。任意ですので,事故のときには補償はほとんどありませんが,安全なのは上に述べたとおりです。特に,自分の子供がポリオの予防接種を受けるときには,同じ時期に親も予防接種を受けたほうが良いでしょう。受けないのなら,ウイルスは最高40日位排出されますので,厳重な注意がこの年代には必要です。もちろん,年少の姉妹兄弟にも注意が必要です。

 アフリカや特にインドでは多くの患者が発生していますので,将来の海外旅行のためにも予防接種は必要です。西ヨーロッパかアメリカ以外へ行く可能性のある人で,先の年代の方は,至急予防接種を受けてください。PKOで派遣された自衛隊員はポリオの予防接種を余分に受けていきました。ポリオには3種類あり,これらを混ぜてワクチンができています。アメリカでは1回以上多く,3回以上接種します。5回という国もあり,WHOも3回接種を勧めているはずです。私と妻も1回多く飲んでみましたが,ひどい下痢をしました。これは,3種のうちどれかの抗体ができていなかったためです。

検疫所でうけられます。 横浜 045-671-7041 東京 03-3201-0848 
医療関係者の方へ ワクチン入手先 ポリオ研究所 0423-93-3191  2週間くらいかかるときもあるようです。-20度で送ってくれるそうです。(厚生省通達引用) とここまで書いて,厚生省を信じた私がやはり馬鹿でした。通達は1996年11月28日付けで出されていますが,京都のすべての医薬品問屋では扱いがありません。実際上手に入りません。通達は,厚生省の役人が自分たちに責任が及ばないように,都府県や開業医に責任を押し付けるために出したのがはっきりしました。-20度で生ワクチンを開業医に届けるシステムはありません。1997年4月,通達が出てから半年,厚生省は何もしていません。しかも,ポリオの予防接種は4月から始まっています。国民の健康など,これぽっちも考えていません。自分たちの責任逃れだけです。

大阪で行っているところが判明しました。大阪府医師会予防接種センター 06-768-1486  要 予約。
1997.04.09

京都でようやく対応ができました。京都府医師会で折衝を続けていたようですが,京都府立医科大学では議会の議決が必要で,少人数には対応する気がないとのことです。公立の病院は何のためにあるのでしょう。京都市立病院,京都大学附属病院も予防接種に不熱心です。何のために税金を払っているのでしょう。
医師会に協力してくれる,京都での接種場所は以下のとうりです。

京都地域医療学際研究所附属病院
北区紫野雲院林町17  市バス「大徳寺前」
前の週の水曜日以前に電話予約すること。  075-431-6121 
1997.05.10

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