幼児のプールは意味がない  

幼児のプールがなぜ始まったか調べてみましょう。

アメリカ西海岸では,小さな家でもプールのある家が結構あります。しかも,アメリカではあまり,家の周りに柵をしません。このため,幼児がプールに転落して溺死する事故が絶えません。それなら,5分でも泳げれば助けることができるのではないかと,幼児のプール教室が盛んになりました。

長年行ってみましたが,死亡事故はまったく減少しません。これは,水に対する恐怖感がないため,かえって近づくためではないかといわれています。 幼児の健康増進にプール教室が役立つという証拠はまったくあがりませんでした。運動すれば体が鍛えられるというのは,もう少し年長になってからのことです。かえって,中耳炎等がふえました。幼児の耳管は短く水平で,鼻から水が逆流しやすいためです。

一般の人は知らないのかもしれませんが,乳幼児プール教室では紙おむつをして,プールに入っています。紙おむつは水を吸収してしまい,おしっこやうんちを吸収するはずがありません。おしっこやうんちをしながら泳がせているのは間違いないでしょう。O−157,大腸菌や,病原菌をまき散らしているわけです。プールの水は換えずに次の大人や子供の水泳教室にも使っています。もしも,塩素に強いクリプトスポリディウムが混入すれば大変なことになるかもしれません。

アメリカでは,幼児水泳教室はまったく推奨されなくなりました。

金儲けの業者におどらされ,なにか良さそうだと雰囲気にながされ,自分の頭で考えずにおけいこ事として始めるのは愚かです。

子供に教えなくていけないことは,他にあります。10才くらいになれば着衣で水に入ったとき,つまり転落事故では,すぐにズボンなどをぬいで身軽になることです。ヨーロッパではかなりの国でこの実習を行います。私も学校で提案してみましたがまったく無視されました。

個人的には,もう少し大きくなった,喘息の子供が注意してプールで鍛えると,良い効果があると考えていますが,統計的証明はありません。塩素などの刺激で悪い場合もあると反対する医師もいます。

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1997.Apr 
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