風疹予防注射の意義  

〒605 京都市東山区六波羅三盛町170  河合 医院 
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毎年3月に行われる,中学生の風疹の予防注射は将来奇形児を生まないで済むために受けるものです。

妊婦が風疹にかかると,時に胎児に影響がでて,いろいろな奇形,精神薄弱,聾唖等の先天性風疹症候群といわれる症状がでます。これを予防するのが目的で,本人のためというより,むしろ将来の子供のためです。

毎年風疹の予防注射の接種率が低下しています。小学生も高学年になると悪知恵がついてきて,予防注射の連絡票を隠したりします。隠さなくても,痛いのが嫌だと注射にいかない子も多いのです。親も風疹など馬鹿にしていて,かかっても怖くないので消極的です。これは,将来の日本にとって重大な事なのです。

また,文部省,教育委員会,中学教師も勉強不足で,なぜ予防注射が必要か理解していませんし,子供にはまったく伝わっていません。

男の子も受けるようになったのは,先天性風疹症候群が減少していないためです。中学生にしたのは,高校にいかない子もいますし,妊娠可能年齢の入り口だからです。2年なのは,事情により受けられないときに,翌年も可能にするためです。

政府がこの件に関して積極的なのは,国民のことを面倒見てくれるというよりは,奇形をもって生まれた人に施設を建設するより,予防注射のほうが安上がりにつくのを計算してのことでしょう。(政府をまったく信用していない私の意見)

「子供の時に風疹にかかったから,あんたは受けなくてよい。」などという馬鹿な親がおおぜいいます。20才くらいになると,免疫力が低下してきており,再度風疹になることがありますので,予防注射は必要です。予防注射をした人も,これくらいの年代で再度接種しておけば,免疫が強化されて望ましいと思います。前回の接種で異常反応がなかったのなら,今回の接種の安全性は高いです。1回予防接種を受けた人や,過去にかかった人が予防注射をうけても副作用が増えたりすることはありません。予防注射に反対した親は,大事な将来の孫を危険にさらしている事になります。十分な情報を与えなかった政府に第一の責任があるのは当然ですが。

もちろん障害者を差別するつもりはありませんが,障害なしで生まれるはずの子をみすみす親,それに加え祖母の無知無能で障害者にしてしまうのは絶対に避けなければなりません。

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以上の要旨を文部省のホームページに送りましたが,なしのつぶてです。以前も重要なことで厚生省に提言して,薬の回収までいきましたが,役人からはなしのつぶてでした。
そこで,地元選出の奥田前文部大臣にお願いいたしましたところ,担当部署に早速連絡いただきました。改善が期待できます。まっとうなことなら,国民はあきらめずに行政に働きかければ何とかなるものです。奥田先生に感謝いたします。