秘密
4

 深く指を突き立てられ、関口は悲鳴を上げそうになったのを辛うじて堪えた。中を掻き乱すように探られて、身体中を強張らせる。
「力を抜いて…息を吐いてごらん」
 中禅寺に言われ、関口はそれを行うべく努力したが、どうにも身体が思うようにならない。意識の総てが弄られている一箇所に集中するばかりだ。
「あっ、あ…」
 焦れたように無理に押し入ってきた指に、関口は更に身体を硬くして悶えた。
「駄目だよ、そんなに力を入れては…」
 中禅寺はそう言って一度指を引き戻し、再びそろりと進入させる。
「やっ…できない」
 どうしても弄られる場所のその感覚に慣れずに、関口は涙ながらに訴えた。中禅寺は暫し指の動きを止めると、関口の猛っている中心にもう一方の手を伸ばして絡めた。軽く、強く…扱かれる程に快感の波が押し寄せる。息が上がり、喘ぎが漏れた。そしてその心地に後ろに突き立てられた指の存在が、今までとは違った感覚を齎していた。
「あ…ん」
 ぶるりと身震いするような感覚が背筋を這い上がる。息を吐き出し、身が蕩けそうな想いに我を忘れた。中禅寺はその関口の身体の力が抜けた瞬間に、一気に指を奥まで押し入れる。関口は仰け反り、中心から密を滴らせた。
「良くなってきたようだね」
 中禅寺の言葉に、関口は羞恥と快感で意識が遠ざかる気がした。このまま、もっとどうにかなってしまいたい――。しかしそれをどう伝えれば良いか解らずに、潤んだ眸で中禅寺を見つめた。
「うん――?どうして欲しい?」
 微笑みすら湛えて、中禅寺は言う。関口は堪らずに、両腕を伸ばして、中禅寺の首に巻きつけた。しがみついてくちづけを強請る。与えられたくちづけは、更にどうしようもなく身を焦がさせられるようなもので、関口は自ら貪りついた。
「やっ…」
 指が抜かれる感覚に、関口は思わず抗議の声を上げた。物足りなさが全身を戦慄かせる。だがそれも束の間、指などとは比べ物にならないようなものをあてがわれて、関口は悲鳴を上げて仰け反った。
「ああ――っ!」
 耐え難いような苦痛。だが、気づけば関口が上げているのは、享楽の喘ぎだった。
 苦痛以上の曾て無い感覚が関口を支配し始めていた。

またまた続いちゃったりして…