BOROの世界/第一部 投稿者:iMac 投稿日:09月26日(土)23時34分31秒
「よし今日の仕事はここまでだ」
そう言ってBOROはマックの電源を落とした。まだ少し仕事が残っていたが、いいのだ。
残りは例の同僚にやらせればいい。詳しく事情をはなすとその同僚は、ほっぺをプッと
ふくまらせ怒った顔をしてみせた。
「も〜しかたないわね、後でなんかおごってよ、約束だかんね!」
ホッ、なんとかやってくれそうだ、これでいい。これで安心して仕事を終えられる。
「サンキュー」BOROがそう言うとその同僚は手で頭につのを作り、舌をペロッと出して
「イ〜〜ダ」とおどけて見せた。BOROはこの女だけはそのうち叩きのめしてやると
思ったが、まぁ今日のところはガマンだ、ガマンだ。
「じゃ、おさき〜」
BOROは上機嫌だった、今日はこれからオフ会なのだ。そう下水道オフ会があるのだ。
右翼幹部からオフ会開催のメールを突然貰った時は驚いたが、すぐ了解したのだ。
とりあえず服を着替える。「何着ていくかなぁ、スーツじゃまずいか、そーだなぁ
あ、あれにしょうか?大切なオフ会だからな、決めた!あれを着て行こう」
Mac World Expoの時に買ったアップルシャツの事だ、BOROはこれを大切にしていて
まだ一度も着ていなかったのだ。皆はこれを着ていればBOROだと一目で分かるはずだ。
BOROはルンルンとした気分で約束の場所に向かった。
「アレ、おかしいな誰も来ていない。場所間違えたかな、いや時間間違えたか?」
右翼幹部の指定した場所のはずだが、誰も来ていないのだ。不安を感じたがもう少し
待ってみる事にした。
「BORO君だね」突然後ろで声がした。「うわっ」驚いてBOROは振り返った。
そこに居たのは50歳ぐらいの、頭が禿げておりぶっくりと太った中年男だった。
「あ、あなたは右翼幹部ですか?」
そうだった。右翼幹部その人だった。あまりに想像とかけはなれた人物だったので
面くらったが、まぁオフ会なんて皆、こんな感じなんだろうとも思った。
「車を用意してあるんだ、すぐ乗ってくれ」
右翼幹部はそう言うとさっさと車に乗り込んだ。BOROもそれにしたがった。
「いやぁ、下水道オフ会に誘われて嬉しかったっすよ、右翼幹部さん!」
右翼幹部は何も答えなかった。BOROは「ずいぶん無愛想な奴だな、チャットの時とか
はこんな感じの人じゃなかったんだけどなぁ」と不思議に思いながら車に乗っていた。
もう30分も車を走らせている、BOROは何かおかしいと思い右翼幹部に聞いた。
「オフ会の場所はどこなんですか?他の皆んなはどうしているんです?」
そう聞いた瞬間、なにかスプレーの様な物を顔にかけられた。
「アンタなにするんだ!これはいったい?」あっというまに意識が遠のいていった。
それは催眠ガスだった。「少し黙っていろ」と右翼幹部はつぶやいた。