XLの世界 by通行人D(笑)  9月29日(火)23時11分07秒

第一章「出会い」

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その日、彼、つまりXLはいつも通り下水道をROMしていた。
いつも通りの死体画像・・・いつも通りのエロ・グロ画像・・・
彼はいささかうんざりしながらもモニターを「いつも通り」に
頬杖をつきつつ覗きこんでいた。
すると彼の目の中に一つの気になる書きこみが飛び込んできた。
HNは「パオ」で「ここのゆいチャットに来い!」という書き込みだった。
彼は一瞬チャットに誘い出して誰かが罠をしかけているのではないか?と感じた。
彼は不審に思いながらゆいチャット、桜並木を覗いて見るとなんと
下水道の常連が集結しているではないか!
彼は自分の背筋にゾクゾクした物を感じながらチャットに入室していった。
「おはようございます!ハピネスです!」
彼は明るく、そして爽やかに入室して行った。

チャットを見てみると今まさにそのチャットで喧嘩が始まっていたのであった。
下水道常連はパオに来てやったぞ!と、話しかけるが
パオと言う奴がまったく無視しているのだった。
彼はパオに深い怒りを覚えた。せっかく来てやったのになんだ!その態度は!
しかも事もあろうに下水道常連を荒らしよばわりし始めたのだ。
これに怒った下水道常連はじゃあ荒らしてやろうじゃないかとタグの嵐で応戦した。
かくしてこの夜はこのチャットから桜並木の常連は消えて、
下水道の常連達が占領したのである・・・


第ニ章「激怒・・・そして」

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それから彼は毎日のように桜並木チャットに出没した。
HNもXLと変えた。
そんなある日、桜並木に入室せずにロムっていると「迷探偵ゴナン」と言う
一人の初心者が入っていったのである。それに対しパオは下水道の常連か何かと勘違いし、
「また来たか・・・クズどもめ」「さっさと消えてくれ」等の
暴言を連発、さらには「二度と来るな」とまで罵ったのである。
その時彼の怒りは限界に達した。この前、せっかく行ってやったのに
無視して、初心者までにも暴言を吐くとは!
正義感の強い彼がそのまま黙っているはずがない。
すぐさま桜並木に入室しパオを一斉攻撃し始めた。
「この人は初心者なのに追い出すのか!」と激しくパオを攻撃する。
しかしパオがいくら謝っても彼の怒りはおさまらなかった。

こいつを殺したい・・・殺して下水道に死体を貼りつけてやりたい・・・

そのうちTeam下水道と言う物ができ、彼はその時の功績を称えられ
対パオ最終兵器の称号をあたえられた。


第三章「金属バット」

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彼はいつにもまして冷静だった・・・もはや決意は固まった。
それにここまで来て引き返すわけにはいかない。
彼は今新幹線の中だった。もちろん行き先は京都である。
Team下水道の皆にもたくさんの応援を貰った。
そうだ、俺がやらなくては誰がやるんだ。
今この時点であいつを殺らなければ誰がやるんだ・・・
このままあいつを生かしていては大変な事になってしまう。
何せ論文の表紙だけ提出してしまうような男だ。あれで大学院までよく行けたものだ・・・
彼は決意を固めると共に日本の将来の為!と
自分を奮い立たせるためにも強く自分に言い聞かせた。
「京都ー京都ー」
そう・・・もう迷っている暇などない。
「その時」は刻一刻と迫って来ているのだから・・・・

彼は京都工芸繊維大学へ向かうタクシーの中でも
準備を劣らなかった。この日の為に高校の野球部から借りた
バットを丁寧に拭いている。拭けば拭くほどバットは輝きを増す。
そう、まるで彼の狂気がどんどんと増幅しているかのように。

「ついに来たか・・・京都工芸繊維大学大学院・・・。ここだな」
彼は意を決して一歩一歩、校内に侵入していった。
その姿を不信に思ったのか一人の学生が話しかけてくる。
「あ、君!ここの学生には見えないけど・・・校内見学かなにかかな?」
しかし彼は意にもかいせずどんどんと先に進む。
彼の耳にはもはや学生の声など聞こえてはいなかった。
耳の中では想像しているパオの悲鳴のみがこだましていたのである。

彼はやがて正気を何とか取り戻し校内を聞いて回った。
「須賀川達也と言う学生はどこにいますか?」と、
そしてついに彼は工芸学部電子情報工学科の前まで来ていた。
あぁ、この日をどんなに夢見た事か・・・これで俺はすくわれる・・
彼は問答無用で教室のドアを蹴破り、窓ガラスをバットで割りながら
中に入っていった。
「何だ君は!危ないよぉ!」
一人の学生がオーバーな程に声を張り上げて叫ぶ。
中には学生一人しかいなかった。ちょうど一人で論文を書いていたところだったらしく
机には資料や訳のわからない本やらが乱雑に並べてあった。
「俺が誰かなんてどうでもいい事さ、ところでこの学部には
パソコンが置いてあるそうだな・・・・パオ・スカというHNの奴は居るかい?」
と聞くと
「そそそ、それは僕ちんだよ!」
と言葉がつっかかりながらも答えが帰ってきた。
「そうか・・・おまえか・・・・探したぜ・・パオさんよぉ・・・・」
もはや彼の言葉には鬼気迫るものがあった。
「ききき、君はもしかして下水道の人なのぉ?」
もはやパオは震え上がって羊同然であった。
「XLって覚えてるかい?ククク・・・・・」
「も、ももももしかして君はXLなの?」
微笑みながら彼は返す。
「あぁ、そうさ。お前に死んでもらう。それが世のためなんだよ」
一歩一歩、彼はゆっくりとパオに近づいていった。
パオは腰を抜かしもはや動けずその場で震えるのみだった。
「さぁて、そろそろ御終いにしようや。パオ」
彼は静かにバットを振り上げる・・・・・・・・
「やややややややだぁぁぁぁぁ!まだボクちん死にたくないよぉぉぉ!
助けてぇ!まだユウキちゃんとHしてる想像で9発しか抜いてないんだよぉぉぉ!」
パオは叫び狂うが、彼(XL)は穏やかに・・・何かを悟ったような顔をしていた。
「やだよぉ!ウサギちゃんに今、モーションをかけているんだよぉ!
まだウサギちゃんでは3発しか抜いてないよぉ!せめて後、10発は・・・!」
しかし無情にもバットは物凄いスピードで振り下ろされる。
「あばよ・・・パオ公。いや・・・"カス"ちゃんよぉ・・」
「やだあぁぁぁっっ!ユ、ユウキちゃああああぁぁぁぁんっ!」

「ゴンッ!」

END

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物凄い長文になってしまいすみません。
簡潔にまとめるつもりだったんですが・・・
第三章からは何故か小説調ですし(笑)

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