Toy & Bill

(御隣りのToy さん と Billさんが住んでいたお家)

  Toy and Billと言っても玩具と請求書のお話では、有りません。

  去年、ノースキャロライナへ引っ越した、お隣のご夫婦のお話です。Toy & Bill はニックネームで、Toyの本当の名前は難しい名前で聞いた直後忘れましたが、Billの本名はWilliamでした。二人だけなのに、ミニチュアホワイトハウスのような、大きな家にはいつも星条旗が掲げられていました。子供がいなかったのか、どうか分かりませんが、私達にとても親切にしてくれました。引越しした、その日に手作りのケーキを持ってきてくれたり。アメリカは日本と違い引っ越しの時は回りが挨拶代わりにそのような事をしてくれます。 必ずと言う事ではありませんが。 持って来てくれたのは結局彼らだけでした。子供がいなかったので、パーティーが好きでした。感謝祭デイナー、年末パーティーに招待してくれたり。 又、ある時はサンタクロースに変装して、子供を喜ばせてくれたり。 恐くて下の子供は泣いてました。

     あの方達に巡り合えた事は私達にとっては、アメリカ生活の第一歩を夢あるものに、又アメリカ人の生活を垣間みるチャンスを与えられ、本当にラッキーだったと思います。パーティーの時、Billは兎に角よく動きます。日本の家庭だったら、どうでしょうか? 奥さんはメイドさんのように、立ち振る舞わないといけません。 お客さんが帰る頃はもう、疲労困憊です。ワインのビンが空になれば、すぐ何処からか補給してくれる。 食べ終わったお皿は直ぐ皿洗い機に直行です。お隣なのに、ちゃんとメールで招待状が来るのには驚きました。 また感謝祭のディナーの七面鳥にかける、グレービーソースの甘さはお醤油味に慣れている、私達にとっては、形容しがたい味です。そこを、我慢して笑顔で、ワインでゴクン。  どうして、あのような、甘いケーキを食後のデザートとなるか、ちょっと理解できる一瞬です。 七面鳥は鶏肉と違いまた、格別の臭みがあります。翌、翌日頃、七面鳥の骨はスープ用として、変身するそうです。 また、クリスマスの飾り付けと、言ったら、小さい頃から培った習慣がそうさせているのかもしれません。クッション、カップ、ナプキン、なべ掴みまで、これでもかと、部屋をクリスマス一色にします。あの時生まれて、始めて味わった、アイリッシュクリーム(お酒)は何故か、クリスマスの頃には買う習慣になっています。

     ご主人のBill はヨーロッパの某高給自動車会社のアメリカ全土の副社長まで、上り詰めた人です。Bill は 引退し数年たってましたが、高校の先生だったToyが辞めたその月に、ガレージセールをした後、さっさと、引越してしまったのです。アメリカは州に寄って,州でも町に寄って、また町に寄っては場所に寄って不動産税など、の課税率が全然違います。 ここは、全米でも高い課税率に入ります。 その見返りとして、住民の安全、公立学校の教育は親を満足にさせてくれます。その税金の高さ故に、引退した夫婦が子供の近くに、子供の教育が終わった家庭などもメンティナンスのかからないタウンハウスに、又は税金の安い別の州に引っ越します。我が家の近所を、見回しても、3軒がそのような理由で引っ越しました。私達はこれから先、何年ここにいられるかな・・・・。その後の入居者は子供3人(赤ちゃんを含む)、のアメリカ人家族で、裏庭全部森だったのを、遊ぶ場所確保の為、何百坪も芝生にしてしまいました。 我が家のプールへの日当たりは、良くなったかも、知れませんが、何故か、物足りなく感じてしまいます。あの鬱蒼とした、眺めが中々好きだったのです。

  Toy さん  Bill さん、いつまでも、仲の良いご夫婦で、そしてお元気で。 素晴らしい思い出を一杯どうも有り難う。あなたたちのご親切、決して忘れません。

10/13/1998



 
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