January 2, 2002

January 12, 2002

■Macworld SF:まとめ 新しいiMacと冴えないサードパーティー

本日で話題となっていたMacworld SF 2002も終わりとなった。ここでちょっと落ち着いてまとめの記事を書いてみようかな…と思う。

新しいiMacは段々ほしくなる?

どうも正直な話をすると最初に液晶画面の新しいiMacを見たとき、いま1つ僕個人の中ではパっとしなかったりした。どこが…というと具体的に言葉にできないのが癪なのだけど、なんか自分の趣味ではもう少し直線的でカチっとしたモノが好きというのもある(だからPowerBook G4は愛しちゃっている)。一方で新生Appleの「アイコン」ともなったあのiMacのカタチを無くしちゃっていいんだろうか?と心配したりもした。

だが、どうも展示会場で新iMacを何度も見ていると少しづつ目が慣れてくる。なんかもしかすると結構良いのかもね…と第一印象がグラついてくる。なんだか愛嬌があったり、液晶の位置を変えると表情がかわったりしてカワイイかも…と思いはじめたりも。ちなみにApple展示ブースはテーブルの下から強い照明をおこなうので、現実に使う状況での見え方を想像するのが多少むずかしいというのはある。展示会場ではじめて初代iMacを見たときも「?」となったが、店頭で見るともう少し落ち着いた感じという印象を受けた経験もある。

こんな事を僕自身はグダグダ言っているが、僕のセクションの同僚にはノックアウトされ、見たとたんに「ポチっ」とAppleStoreで注文をしてしまったのが何人かでた。あるかなり反Macなヤツも「今回のiMacは本当に優れた工業デザインだ…。俺だって単に反Macじゃなくって良いモノは認めるんだ。」と宣っていたりも。

一方でアパート内のご近所さんは新iMac登場後しきりに彼の持っているiMacがスペック的に古くなっている…と奥さんに新iMac購入をにおわせていたりするようだ。彼のように僕の周囲の大抵の人達はまず新iMacのデザインが気に入り、スペックも昨年のハイエンド級なので、後でそれを持ってして何故買うかという自己正当化を家族に対して行っているらしい。

Expo以前はAppleの刺激的なコピーのせいもあって、凄まじい新製品ラッシュになるのではないか?と言われていたりもした。実際には本命の液晶iMacが出ただけなのだが、反響はかなりのモノである。もしかすると結構なヒットになるのかと思えたりする。

それにしてもAppleはジョブズという「看板」があって本当に恵まれているとも思う。仮にこの新iMacのような製品をSONYが出したら、ここまで様々なメディアが一斉に取り上げるような事になったかは疑問かなという気がしないでもない。Mr.現実歪曲フィールドの力に感心するとともに、良きにつけ悪しきにつけAppleはよく英文メディアがいう「Jobs & Co」なのだなと妙なことに思いをはせたりもする。

サードパーティー模様

今回のMacworld展示会場は何か異様に狭く感じる。大手ではMacromediaなどが出展をしていなかったり、出店している会社でもブースの大きさが全般的に小さく、なにかAppleばかりが巨大…という印象を受ける。新iMacで気勢を上げるAppleとは対照的にどうもサードパーティーに元気が無いような感じがする。

もちろんMac版Mayaを出展するAlias | Wavefrontは連日大入り満員だし、Painter 7などをデモするprocreateやAdobeは展示ブースのほか実際に製品を試すハンズオンを実施するなどして人気であった。ただ、やはりそうしたグラフィック関連の分野だけでは、以前のような袋小路に入ってしまうのではないか?という危惧を抱かせるし、大抵は中小ベンダーの方がユニークで面白いモノ(もしくは無茶なモノ)を出してくるが、その類いは少ないか…とMac業界のバイタリティ減少にちょっと危機感を覚えてしまう。

ある会社経営者が「Mac関係業者と話すと、(ユーザーにというよりは)Appleにうまく売り込もうとしているように見える。」と言っていた。AppleはiTunesなどMacの価値を高めるために自社製のソフトを提供開始し、それがある意味サードパーティーを苦しめてしまう…という結果になりかねない。iTunesによってMP3関連Mac用ソフトを駆逐してしまったし(なにせ競争相手は無料!)、今回発表されたiPhotoでACDSeeやiView Multimediaは市場を失うとまではいかないものの、より限定されたターゲットにしか販売できなくなるようになった。Appleに潰されるかもしれないならその前に、逆に自分のソフトをAppleに対して売り込もう…という事か。

全部がそうという訳ではないにしても、Mac向けサードパーティーが、なんとなく段々やりにくくなっているという雰囲気があるのだろう。そのあたりAppleもサードパーティーもうまくやってもらえると良いのだが。

■Macworld SF:質問に答える

山根さんよりメールでMicrosoft製品に関して質問してほしい…という依頼を受け、本日聞いてくることができた。MicrosoftブースはMac OS X対応版のOfficeが中心だが(そして情報はいたるところにあるが)、それにも付属するMSN Messengerに関して。Mac版は音声メッセージ機能が無いなど、Windows XPで提供されているバージョンと比較して機能が低い理由は?また今後搭載するのかを聞いてほしい…とのこと。

Microsoftの説明員氏の回答では、「今回Mac用にはじめてMSN Messengerを提供開始し、今後の方向性は手探りの状況。従って、今後Mac版の方向性をどうしていくかについて、逆にユーザーから多くの情報を集めている。」という内容。つまり今後XP版並に充実させていくかは不明だが、ユーザーからのリクエストが多くあれば活かされる可能性もあると見て良いようだ。

またMicrosoft関連では、Classic用IEは5.1で止まるのか?今後もバージョンアップするのか?という質問も頂き、説明員氏は「Microsoftは今後もClassic版IEを継続してサポートする方針。Mac OS XにかなりシフトするかClassic版にも力を入れるかは、ユーザーのMac OS Xへの移行状況を見て今後判断していく事になる。」と語ってくれた。一方IE 5で当初宣伝されていたネットラジオなどを利用するメディアバーに関しては、当時と今ではネットラジオを利用できるApple純正のiTunes登場など、事情が異なっていることも、結局まだインプリメントしていない理由の1つという。もちろんユーザー側から強いニーズがもしあるようなら今後のIE仕様に含まれるかもしれない…と話してもらえた。

January 11, 2002

■Macworld SF: リクエストに対する解答

Discreetの製品Cleaner 5.1とCinestreamのMac OS X対応に関しての質問を頂いた。

Cleaner 5.1はMac OS Xネイティブとなった。出荷時期は来月中とのこと。一方でCinestreamの方が現在Mac OS X対応に関する公式な発表を一切しておらず、いつ対応を行うか…といった具体的な話はできないという事だった。

ちなみに同社のCombustionは既にMac OS X対応。

■Macworld SF: 音楽関連ソフトのMac OS X対応状況

今回のMacworldでは音楽関連ソフトはパッと見には全然発見できず、多少焦ってしまった。実はGuiter Centerの販売ブースの周囲で非常にこじんまりと展示販売を行っていたりした。

音楽ソフトのMac OS X対応が既に行われているものとしては、BIASのPEAKやDECKが挙げられる。また、Bitheadz社もソフト音源Unity SessionのMac OS Xネイティブ版を発表していた。

一方で、当初2001年の秋に登場とされていたMac OS X対応版Emagic Logicは今回まだMac OS 9版をデモ。説明員に聞いたところ3月に開催されるMusikmesseで詳細が発表される予定だと言う。それまでは発売時期がいつになるかなど具体的な事ははなせないとのこと。

他のCubase開発元SteinbergやDigital Performer開発元MOTUなどもMac OS X対応を行っていきたい…とは語るものの具体的な時期に関してはまだ約束できる状況に無いという。

小山さんのあぽ〜日記9日レポートにも音楽関連が触れられている。

January 10, 2002

■Macworld SF: リクエストに対する解答

昨日掲載したPowerMac用ガワを販売しているApple Skinz製品の入手方法に関する質問を多く頂きました。同社に質問したところ、日本のディストリビューターと現在交渉中との事で、それが決定次第に本で発売する…という事。尚、それ以前に同社サイトで注文しても受け付けられるかどうかわからない…という返答。

3Dソフトform-Zは現在Mac OS X版を開発中で、ほぼ完成に近付いているという話。2〜3ヶ月のウチに対応版の出荷を開始する予定であるという。

Mac OS X用バックアップソフトRetrospect BackupのMac OS X版は現在ベータ版を配付しているが、Dantz説明員によれば完成版の出荷は3月末〜4月はじめになるという。

■Macworld展示会場フォトレポート(3)

■Macworld Sf: Road to X講演

昨日行われたRoad to Xの1時間講演、僕は参加できなかったのだが、参加した佐藤氏より話を伺い、それをまとめたものを下記に掲載する。文責はもちろん僕の側にある。

Road to Xの講演は全世界マーケティング担当副社長フィル・シラー氏とソフトウエア開発担当副社長のアビー・テバニアン氏が行った。基本的にシラー氏が一般向けの説明を、テバニアン氏が「オタク向け」内容を担当。

Mac OS X自身の説明としては昨年から行われていた内容からほとんど変わっていないようで、まずはシラー氏によるMac OS Xのレイヤー構造(DarwinとかQuartzなど)の説明が行われたという。

Mac OS X機能のデモとしては、まずMac OS XのマルチタスクやSMPを実現するカーネル能力の説明が行われたという。Mac OS XでQuickTime PlayerやiTunesによるエンコーディング、IEを動作させCPUモニターがフル状態(100%)になっても各ソフトウエアの動作が途切れない事を見せた。これはMac OS Xのプロセス配分が非常に優秀であるためであるとの事。Mac OS Xで採用されているMach 3.0はカーネルのリアルタイム性が大きく改善されたものが搭載されており、通常のUNIX系OSではCPUが100%になるとプロセスの待ち行列がたまってしまうのだが、Mac OS Xでは各アプリケーションによって優先順位を切り替えるようしてそうした状況に対処するという。例えば、iTunesなどは優先順位を上げ、QuickTime Playerは状況に応じてフレームレートを少しづつ下げ、ブラウザーはもう少しリアルタイム性を減らす…という具合である。

またデモではXの裏技…として、全てのメニューがキーボードだけで操作可能になっている事に触れられたほか、強制終了機能でFinderを再起動してもQuickTimeがコマ落ちしない…などの内容も行われたという。

CocoaアプリケーションのデモとしてはシェアウェアのWatson作者が登場し、Cocoaでの開発のアドバンテージを語ったと言う。WatsonはeBayやYahooなど様々なネット上のサービスにアクセス可能なCocoaアプリで、新たなサービスにはプラグインで対応可能となる構造になっているもの。このソフトがCocoaを利用する事でいかに簡単にネットワークアクセスに対応できるものが作られるか…などが述べられたという。

Mac OS XのQuartzグラフィックエンジンによる描画能力のデモとして、Mathematicaを利用した複雑な遺伝子アミノ酸の立体構造の美しい描画が見せられたという(Mathematicaのデモはジョブズの基調講演でも行われた)。

UNIXのパワーとしてデモされたのはゲームで波や風を3Dでニュートン力学で物理シミュレーションするソフトについてである。映画「ディープインパクト」でも利用されたこうしたUNIX物理シミュレーション(当時は計算専用にUNIXサーバーを必要としたという)Mac OS Xに移植し、OpenGLを利用してみたところ、リアルタイムで表現ができるようになり、ゲームでも利用できるようになったという。カーネルにUNIXを採用したことで、そうしたソフトがMac OS Xで利用可能になった…とUNIX採用のアドバンテージを語っていたという。

また、講演ではAppleScriptによるデモも行われMac OS XでAppleScriptが高度に統合されている点を見せていたという。実際にMac OS X版InDesignなどを利用し定型レイアウトをAppleScriptで自動処理する様子が見せられたそうだ。面白かったのは非常に高速に動作するAppleScriptの様子にピッタリ合わせて、Apple Scriptのデモンストレーターがスゴい早口で行っている内容を説明した事とも。

今回の講演でもジョブズの基調講演で語られたよに2500点のMac OS X用アプリケーションが登場した事をデモ。その中の130点にも及ぶ様々なネイティブアプリをDockに入れて、いかにソフトが揃っているか…をうまくデモしていたという。

January 09, 2002

■Macworld展示会場フォトレポート(2)
■Macworld展示会場フォトレポート(1)

Macworld展示会場で撮影した写真をいくつか紹介します。また続けて他のブースも取材する予定。リクエストがあれば是非教えて下さい。。

ダウンタウンの至る所に
新iMacの広告が登場
モスコーニセンターの入り口も
iMacのものに

本日より展示会が開催されます。とりあえずまずモスコーニセンターのプレスルームに到着。これから会場にくり出します。

January 08, 2002

PC WatchにPierreが執筆した基調講演レポートが公開されています。下記リンクからどうぞ御参照ください。

スティーブ・ジョブズCEO基調講演レポート
新iMacなどを発表「今日はCRTモニターが公式に死んだ日」

(PC Watch)

■新iMacフォトレポート

本日報道関係者にのみ先攻公開されたAppleブースで撮影した新iMacを簡単にフォトレポート。(写真11枚掲載---クリックで拡大します)

■新iBookフォトレポート

やはり本日発表された大型iBookの写真を4枚掲載(クリックで拡大)

January 07, 2002

本日(現地時間1月6日)、マックワールド・サンフランシスコの参加者登録が会場のモスコーニ・センターで開始。日本からおみえになった報道関係者の方々と一緒にプレス・パスを受け取りに早速会場へいき問題なく入手できた(←ここいらへんは業務連絡でもある)。

「基調講演の撮影は突然の移動とかも考え、三脚じゃなくて一脚を使うと良い」というアドバイスを荻窪圭氏より頂き、急きょ写真店でManfrottoのリーズナブルなモノを購入する。あとはどんな被写体(つまり新製品!)が登場するか…が最大の問題点という事だろうか。

 

2002年1月1日〜の記事

2001年12月21日〜31日の記事

2001年12月11日〜20日の記事

2001年12月01日〜10日の記事

2001年11月21日〜30日の記事

2001年11月15日〜20日の記事

2001年11月01日〜10日の記事

2001年10月22日〜31日の記事